少額投資&分散投資でリスク低減効果が得られる
NISAをきっかけに、生まれて初めて「投信で資産運用を始めてみよう」と思った人も少なくないはず。そんなビギナーのために、「今さら聞けない投信のキホン」を徹底解説!


悩める投資家の代わりに面倒な運用はプロが行なう

まったく経験のない人が、いきなり株や債券に投資してみようと思っても、「どの銘柄を買えばいいのかわからない」「どんなタイミングで買ったり、売ったりすればいいの?」と迷ってしまうことが多いもの。そんな悩める投資家の代わりに、資産運用のプロであるファンドマネジャーが株や債券などで運用してくれるのが投信だ。

大勢の投資家からお金を集め、まとまった資金を元手にファンドマネジャーが選んだ複数の株や債券などへ投資するのが投信の基本的な仕組み。

投信は「基準価額×口数」で購入するが、運用がうまくいけば基準価額が買ったときよりも値上がりして、売却すると利益(譲渡益)が得られる。株を安く買って、高く売るのと同じことだ。

また、株の値上がり益や配当、債券の利回りなどを原資として定期的に「分配金」を支払うタイプの「定期分配型投信」もあり、支払いサイクルによって毎月分配型、隔月分配型などに分かれる。

いずれにしても、個別の株や債券などを選んだり、価格の動きをにらみながら買ったり売ったりする手間をすべてプロに任せ、ただ持っているだけで株や債券などで運用できるのが投信の大きな特徴である。

1口当たり1万円前後と手ごろな投資額で、複数の株や債券などに分散投資できるのも投信のメリットだ。複数に分散投資すれば、それぞれの値動きが平準化され、価格下落リスクを抑えることもできる。

いったい投信はどのように分類されているのか?

投信の種類は、どんな資産(株・債券など)で運用するのか、そして、どのように投資家から資金を集めるのかによって大きく分かれる。原則的に株を中心に運用するものは「株式投信」、株を一切組み入れず、国債などの公社債を中心に運用するものは「公社債投信」という分類だ。株と債券の両方を運用する「バランス型投信」もあるが、少しでも株が含まれていれば株式投信となる。

「ただし、公社債投信には基準価額が1万円を超えた場合には、超過分のすべてを分配しなければならないという税制上のルールがあるので、これに当てはまらない分配方式を採用している場合は、たとえ債券で100%運用していても株式投信として分類されます。国際投信の『グローバル・ソブリン・オープン』(通称「グロソブ」)などが代表例です」と説明するのは、人気ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さん。

「グロソブ」のように債券100%でも株式投信に分類されていれば、上場株式や株式投信しか買えないNISA口座でも購入することができる。

さらに投信は、投資家から資金を集める方法によって「追加型」と「単位型」の2つに分類される。追加型はいつでも購入できるタイプ、単位型は決められた期間だけしか購入できないタイプだ。

どんなに魅力的な投信でも、新聞広告やパンフレットなどに「単位型」と記載されていたら、買える期間は限定されているので、チャンスを逃さないように注意したい。



深野康彦(YASUHIKO FUKANO)
ファイナンシャルリサーチ 代表

1962年、埼玉県生まれ。中堅クレジット会社勤務などを経て独立。独立系ファイナンシャル・プランナーとして、個人のコンサルティングを行ないながら、テレビ・ラジオ番組への出演、新聞やマネー誌、各種メールマガジンへの執筆など、さまざまなメディアを通じて投資の啓蒙や家計管理の重要性を説いている。



この記事は「WEBネットマネー2013年11月号」に掲載されたものです。