数ある投信で初心者にはインデックス型がオススメ
NISAをきっかけに、生まれて初めて「投信で資産運用を始めてみよう」と思った人も少なくないはず。そんなビギナーのために、「今さら聞けない投信のキホン」を徹底解説!


いずれにせよ、いいアクティブ型投信を選ぶには、いい個別銘柄を見抜くのと同様の選択眼が求められそうだ。

「まったくの初心者が、好成績が見込めるアクティブ型投信を選ぶのはそう簡単ではありません」と語るのは金融ジャーナリストの鈴木雅光さん。

「どれを選んだらいいのか迷ったあげく、ウェブサイトなどに掲載される騰落率や純資産残高のランキング上位のアクティブ型投信を買う人もいるようです。でも、直近のパフォーマンスがいいからといって好成績が続くとは限りませんし、資産規模の大きさと運用成績にはまったく関係がありません。選び間違えてハズレの投信をつかむよりも、むしろ無難なパフォーマンスが期待できるインデックス型投信を選んだほうがいいのではないでしょうか。インデックス型投信は、購入時手数料や信託報酬などがアクティブ型投信に比べて低めであることも魅力です」(鈴木さん)

ちなみに日本の追加型株式投信の約7割は毎月分配などの定期分配型だが、2008年のリーマン・ショック以降、世界的な株や債券の暴落によって運用成績が上がりにくくなったことから、新しい仕組みを取り入れて分配金を増やすタイプの投信が次々と登場した。その代表が2009年に誕生した「通貨選択型投信」だ。



金利差も分配金に上乗せ?通貨選択型〞の注意点

通貨選択型投信とは、株や債券の運用利回りのほかに、運用する通貨(円、米ドルなど)と別の高金利通貨(ブラジルレアル、トルコリラなど)をFX(外国為替証拠金取引)のように取引して、そこから取れる金利差も分配金に上乗せする仕組みの投信だ。利益を取る手段が2つあるので俗に「2階建て方式」などと呼ばれるが、最近はデリバティブなどの仕組みを加えて「3階建て」以上にしている、より複雑な投信もある。

「2階建て、3階建ての投信は、すべての仕組みがうまく回れば利益が大きくなる半面、全部ダメであれば損失も大きくなりやすいというリスクがあります。また収益の仕組みが複雑になるほど、潜在リスクがわかりづらい。初心者はなるべくシンプルで、リスクが特定しやすい仕組みの投信を選ぶべきでしょう」(前出・馬養さん)

シンプルな株式投信でも、外国株や外国債券を運用するタイプでは為替変動リスクを避けることはできない。そのため、投信の中には為替変動リスクをヘッジ(回避)するタイプとヘッジしないタイプを用意しているものも多い。

深野さんは、「円高の時期は為替変動の影響を受けにくい?ヘッジあり〞が人気でしたが、現在のように円安進行の局面では為替差益が取れる?ヘッジなし〞が有利かもしれません」と語る。

投信の主なリスクの種類

価格変動リスク
発生原因:投資対象の株価や債券価格の変動。
ポイント:投資対象の株価や債券価格の変動。

金利変動リスク
発生原因:市場の金利水準の変化。
ポイント:市場の金利水準が、今後上昇するか、低下するか。

為替変動リスク
発生原因:為替レートの変動による円換算での資産価値の増減。
ポイント:日本円以外の外貨建てで運用する商品の場合、ある時点に比べて円が対象通貨より高いのか、安いのか。円安になれば資産価値が増加となり、円高になれば減少する。

信用リスク
発生原因:債券等を発行する国や企業の債務不履行、金利不払い、倒産等による変動。
ポイント:債券等を発行する国や企業が、財政難や経営不振に陥っていないか。

流動性リスク
発生原因:市場であまり取引されていない株や債券の場合、売買が成立せず換金ができなくなり、大幅な安値での売却等を強いられる可能性による変動要因。
ポイント:有価証券を売却あるいは取得しようとする際に、市場に十分な需要や供給があるか、取引規制等が行なわれていないか。

カントリーリスク
発生原因:特定の国や地域へ投資する場合、投資対象国・地域の政治・経済情勢、資本規制等のさまざまな要因による影響を受けることでの変動。
ポイント:投資対象国・地域において、政治・経済情勢の変化によって市場に混乱が生じていないか、もしくは新たな規制が設けられるなど運用上の制約を受ける可能性がないか。

鈴木雅光(MASAMITSU SUZUKI)
金融ジャーナリスト

1967年、神奈川県生まれ。岡三証券、公社債新聞記者などを経て、2004 年にJOYntを設立。テレビやラジオ、出版のプロデュースを務める。All About「投資信託」ガイドも担当。著書に『あなたの資産を大きく育てるNISA完全活用術』(東洋経済新報社)など多数。



この記事は「WEBネットマネー2013年11月号」に掲載されたものです。