木村拓哉SMAPの冠番組『SMAP×SMAP』で、ゲストの宮藤官九郎チームに負けて罰ゲームを行った。「ジュースを買ってこい!」とパシリを命ぜられた木村は相手を睨みつけるようにして注文を聞くが、なかなか動こうとしない。その姿は己のプライドと闘っていたようにも見えた。だが、ついに彼はジュースを求めてスタジオを飛び出したのだ。この前代未聞の木村拓哉のパシリは、ネットでも話題となっている。

NHKの連続テレビ小説『あまちゃん』の脚本家・宮藤官九郎と磯野心平役を務めた皆川猿時、そして氣志團の綾小路翔が10月21日の『SMAP×SMAP』に登場した。3人は11月24日から上演される舞台、バカロックオペラバカ『高校中パニック!小激突!!』で共演する間柄だ。

“BISTRO SMAP”に出演した彼らは、食事の前にSMAPと“タイマン旗上げ対決!”で勝負した。進行役の中居正広から「負けた方は罰ゲームとしてフジテレビの社員食堂までパシリということで」と告げられると、SMAPの表情が変わる。アイドルとしては何としてもパシリは避けたいところだ。

対戦はまず稲垣吾郎とクドカンこと宮藤官九郎があたり、クドカンが勝利。2戦目は木村拓哉と綾小路翔で接戦となるが、「赤上げない、白上げない」で木村が白を上げたまま固まってしまう。負けず嫌いの木村だけに表情をこわばらせると、周囲の空気も騒然となった。やがて稲垣が「木村くん、気持ちは分かるけど負けたんだよ!」と言い聞かせると、彼も「ハーッ」と溜息をついて体を動かした。この時点でこの日の木村の運命は決まっていたようだ。

その後は草なぎ剛と皆川猿時があたって草なぎが勝って同点となり、香取慎吾と勝負をかけて皆川が対戦。最終的に宮藤官九郎のチームが勝利して、SMAPの罰ゲームが決定した。

中居はSMAPのメンバーから1人だけパシリに使えることを説明し、「パシリだから『何々してください』じゃなくていい」とつけ加えた。そして、宮藤官九郎ら3人が相談して選んだのが木村拓哉だ。先輩として皆川猿時から「おい、木村!」と呼ばれると、木村の表情が曇った。彼がつかつかと歩み寄って皆川に顔を近づけると、3人ともビビッてしまう。

直視できない状態で皆川が「あのさ、ジュースが飲みたいよ」、「ジュースをさ、かってこいよ!」と命ずると、木村は目を見つめながら「何がいいですか?」と注文を聞く。皆川が「メロンソーダ買ってこいや!」と恐る恐る答えると、クドカンも「氷カフェマンゴーだよ!」と続く。綾小路が「木村、俺ミルク」というと、「ガムシロップは?」と細かく尋ねて木村もなかなかパシリに動こうとしない。

彼としても3人を威圧することで、パシリに使われる前に自分のプライドと闘っていたのだろう。やがて覚悟を決めた木村が歩いてスタジオを出て行くと、その背中に向けて皆川が「走れよ!」と叫んだのだ。彼は踵を返して走って戻ってくると皆川を睨みつけていたが、これで木村拓哉の火がついた。

再びスタジオを飛び出した木村は、階段を下りるとフジテレビの長い廊下を疾走したのだ。その速さにはカメラが追いつけない。約35秒かけてフジテレビの社員食堂に到着した木村はレジで注文し始めたが、その手には自分の財布が握られていた。

スタジオに戻った木村は「これ翔先輩のっす」、「メロンソーダっす」と注文した品をチーム・高校中パニックの3人に渡す。最後に「自腹っす」とつけ加えると、彼らも「すみません」と申し訳なさそうに飲んでいた。中居が「どうだった、木村後輩に買ってきてもらった味は?」と感想を尋ねると、綾小路は「家に持って帰りたいっすね」と大切そうにミルクの入ったカップを見せた。クドカンも「格別だよね」と感激すれば、皆川はメロンソーダの味について「(いつものとは)ちょっとなんか違いますね」と答えていた。

こうして、木村拓哉が前代未聞のパシリの役目を果たしたのだが、その光景を見た視聴者からはツイッターで「木村拓哉、よくパシリ行ったよなぁ。プライドがあっても、テレビだからか…」、「すっごく笑った。目を合わせられない先輩が」といった感想がつぶやかれている。「木村拓哉をパシリにしたいけど、こえー」というつぶやきもあったが、やはりあんなに威圧してくるパシリは先輩も使わないだろう。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)