フィリピン 格付けが投資適格に!経済成長も株価も堅調!!
出稼ぎ収入も貢献!今年第1四半期の経済成長率は7.8%


8月15日、フィリピンの中央銀行が「6月の海外労働者から本国への送金額が21億ドルになった」と発表しました。今年上半期では118億ドルとなり、過去最高額だった昨年(214億ドル)を上回るペースです。2012年のフィリピンの名目GDP(国内総生産)は約2504億ドルですから、海外からの送金がGDPの1割弱を占め、出稼ぎの仕送りが経済に貢献しているというのが、フィリピンの特徴でもあります。

この連載でフィリピンを前回とり上げたのは昨年の本誌10月号でした。当時はフィリピンの長期国債の信用格付けが引き上げられ、「投資適格まであと一歩」と解説しましたが、今年に入り、格付け機関のフィッチとS&Pがそれぞれ3月と5月に格上げを行ない、フィリピンは念願の投資適格級となりました。

それを裏付けるように、最近までのフィリピン経済は好調を維持。昨年の実質GDP成長率は6・59%とアジアでは中国に次ぐ高成長だったほか、今年1〜3月期の成長率は7・8%でした。

さらに、IMF(国際通貨基金)がASEANの主要5カ国全体(インドネシア、タイ、マレーシア、ベトナム、シンガポール)の今年のGDP成長率を下方修正する一方、フィリピンは6%から7%に上方修正しています。

夏場の新興国株は、米国の量的金融緩和策の縮小をめぐって、軒並み軟調となりました。左下のグラフは2001年初めを100としたアジア諸国の株価指数の推移です。

これを見ると、圧倒的に高パフォーマンスだったのがインドネシアで、一時は12倍を超える上昇もありました。そしてタイ、インド、フィリピンと続きます。インドネシアに比べると見劣りはしますが、それでも4倍以上になっています。

フィリピンは、インフラ整備の遅れをはじめ、GDPに占める製造業の割合が3割程度と、他のアジア諸国と比べると低く、その育成が急務など課題は多くありますが、世界12位の人口を有していることや公用語が英語であることなどの強みがあり、ポテンシャルの高さもあります。

現在のところ、海外ETFや投資信託など、日本の個人投資家がフィリピンに投資するルートは限られていますが、今後も要注目の新興国のひとつと思われます。

フィリピンに投資できるETF&投資信託にはこんなものがある!

ETF

iシェアーズ MSCIフィリピンETF
価格:32.22ドル
投資単位:1口〜
分配金利回り:1.06%

投資信託

フィリピン株ファンド
運用会社:キャピタルアセット
基準価格:1万575円
純資産残高:9億円
分配金利回り:54.8%

アセアンCAMーVIPファンド
運用会社:キャピタルアセット
基準価格:9610円
純資産残高:2億円
分配金利回り:31.2%

イーストスプリング・フィリピン株式オープン
運用会社:イーストスプリング
基準価格:9967円
純資産残高:60億円
分配金利回り:35.1%

※データは2013年9月6日現在。ETFの投資単位は取扱会社によって異なる。
分配金利回りは、直近1年間の分配金合計額を基準価額で割ったもの。



土信田雅之(Doshida Masayuki)
楽天証券経済研究所 シニアマーケットアナリスト

新光証券などを経て、2011年10 月より現職。ネット証券随一の中国マニアでテクニカルアナリスト。歴史も大好きで、お城巡りと古地図収集が趣味。




この記事は「WEBネットマネー2013年11月号」に掲載されたものです。