カンボジアの国際的な観光地「アンコール遺跡群」のひとつ、ベンメリア遺跡でも水位が上がっていた【撮影/松藤浩一】

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朝日新聞のマニラ支局長などを経て2009年に単身カンボジアに移住。現在は現地のフリーペーパーの編集長を勤める木村文さんのカンボジアレポート。最悪といわれた2011年に次ぐ洪水被害が報告されているカンボジア。堅調な経済成長にどの程度影響が出るのか?

洪水で130人以上が死亡。農業にも大打撃

 カンボジアで洪水の被害が広がっている。9月半ばから被害が出始め、10月半ば現在で全国の死者は130人を超えた。

 メコン川流域国で、東南アジア最大の湖・トンレサップを持つカンボジアは、古くから洪水とは切っても切れない縁がある。洪水が農業や生活のサイクルと深くかかわり、大地のめぐみを人々にもたらしてきた面もある。しかし近代化・都市化が進む社会のなかで、洪水は人々の生命と暮らしを脅かす側面が強くなってしまった。

 カンボジア政府の国家災害対策委員会などによると、10月半ばまでに全国で134人が洪水により死亡した。多くの子どもたちが含まれているという。浸水や家屋倒壊などで約2万7000世帯、12万人が緊急避難を強いられ、何らかの被害を受けた人は約174万人に及ぶ。

 また、国連やNGO、国際機関などで構成する「カンボジア人道対策フォーラム」のまとめによると、全国で田植えの終わった水田255万ヘクタールのうち、約1割に当たる24万4500ヘクタールが冠水などの影響を受けているという。

 コメ以外の主要産品であるキャッサバなどの農地も1万1000ヘクタール以上が被害を受けた。カンボジアのキャッサバは洪水の影響を受ける以前の今年前半、すでに輸出量が激減している。主要輸出先のタイに余剰があったためで、輸出額も今年1月から8月までで1510万ドルとなり、前年同期と比べ半減した。洪水の被害でキャッサバ農家はさらに打撃を受けそうだ。

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