8月の新興国株は、海外資金の流出で東南アジア株が売られる一方、経済指標が好転した中国株は上昇。国・地域ごとに悲喜こもごもの展開となった。今後、注目の新興国はどこだ?米国の金融緩和縮小を懸念して、アジア新興国からの資金流出が続いている。その影響で8月はインド通貨ルピーやインドネシア通貨ルピアなどが続落。株式市場でもインド、インドネシアのほか、5月までは米国の金融緩和によって大量の資金が流入し、過去最高値を更新し続けていたフィリピン株、最高値目前に迫っていたタイ株も大幅調整局面に突入した。8月の東南アジア株式市場は、ほぼ全面安の状況となった。インドネシアのジャカルタ総合指数は9月2日までの1カ月間で11%下落。経常赤字が拡大したことも懸念材料となって、海外資金の流出がさらに加速した。8月29日にはインドネシア中央銀行が経常赤字幅を縮小するための利上げを発表しており、株価が反発するかどうか注目される。一方、通貨ルピーが過去最安値を更新し続けていたインドでは、8月21日にSENSEX指数が11カ月ぶり安値となる1万7905ポイントまで下落。インドでも経常赤字の拡大が通貨安と株安を招いており、政府は海外からの投資呼び込みなどの対策を打ち出している。8月下旬に株価は底を打ったようにも見えるが、本格的に相場が回復するまでには時間が掛かりそうだ。対照的に8月に上昇したのが中国本土株。7月末時点で節目の2000ポイントを下回っていた上海総合指数は、8月30日に2121ポイントまで上げた。9日に発表された鉱工業生産指数などが良好だったことから、景気への楽観的な見方が強まった。中国への貿易依存度が多く、中国の景気動向の影響を受けやすいブラジルのボベスパ指数、韓国のKOSPIも上昇した。

この記事は「WEBネットマネー2013年11月号」に掲載されたものです。