なぜ“嫌われ者”のジョブズが世界中の人から愛される製品を作ることができたのか?/[c]2013 The Jobs Film,LLC.

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「有能だが、クズ」。21世紀最高の経営者と呼ばれる一方で、「経営を混乱させる」との理由からアップル社を追放されたこともあるスティーブ・ジョブズ。その裏には様々な要因があったようだが、彼の傲慢で独善的な性格が災いしたという見方も多い。一体なぜジョブズはそこまで“嫌われ者”にならなくてはいけなかったのだろうか。

【写真を見る】伝説的なプレゼンでしか彼を知らない人にとってあまりにも意外な一面!/[c]2013 The Jobs Film,LLC.

とにかく自己中心的で協調性がなく、チームワークに向いていなかったというジョブズ。実際、彼に関わった人々が、その性格に少なからぬ問題を認めている。専門的な仕事において極めて高く評価される人物が、人間関係の面で欠陥を抱えているというケースは多いが、彼ほど極端なケースも珍しいだろう。それは破天荒なロックスターを彷彿とさせるほどだ。

そんなジョブズの半生を追った映画『スティーブ・ジョブズ』(11月1日公開)でも、彼の“クズっぷり”は存分に描かれている。若い頃、スティーブ・ウォズニアック(優秀な技術者で、アップルの共同設立者1人)に自らの仕事を押しつけた挙句、受け取った報酬のほぼすべてを自分の懐に収めたこと。また、アップルが株式公開を果たした際、古くから一緒に会社を育ててきた仲間の多くに1株も渡さなかったこと。さらに、自らの信念と少しでも違ったことをする従業員に対しては、相手の話をろくに聞かずにその場で「出ていけ!」とクビにするなど、ジョブズの“嫌われ者”としての側面がとことんピックアップされている。あのユーモアとウィットに溢れたジョブズしか知らない人にとっては、あまりにも意外な一面ばかりだ。

だが、嫌われるということは、それだけ強く自分の信念を持っているということでもある。そして、ジョブズがただの“クズ”で終わらなかったのは、その強引で自己中心的な信念を現実に変えてしまう能力があったからだろう。ジョブズのような“クズ”が類まれな才能を持ち合わせたとき、初めて世界は変わるのかもしれない。【Movie Walker】