0−2で敗れたセルビア戦から4日。日本はFIFAランクで大きく下回るベラルーシに0−1で敗れた(日本42位、ベラルーシ80位)。結果だけでなく内容を見ても、セルビア戦から改善するどころか悪化の一途をたどるばかりである。

 日本代表のよさ、持ち味とは何なのか。

 そんなことも分からなくなってしまうほど、今の日本代表は泥沼の「負のスパイラル」から抜け出せずにいる。

 思えば、コンフェデレーションズカップのころは失点の増加が課題だった。毎試合のように大量失点を重ねたが、しかし、その一方で得点はできていた。強豪が相手でもゴールは奪えている。その事実は、選手たちに少なからず自信を与えてきた。

 ところが、その後の試合でも、明らかに力の劣るグアテマラを無失点に抑えた以外は失点が続くばかりか、ついにこの2試合は連続で無得点に終わっている。

 安定したボールポゼッションで攻撃を組み立て、サイドから相手ディフェンスを崩す。かつてのそんな姿は影を潜め、ベラルーシ戦でも、中央に偏った強引なショートパスばかりが増え、ボールを失っては逆にカウンターからのピンチを増やしている。

 立ち上がりこそ、ベラルーシが日本をリスペクトしすぎたのか、それほど積極的にはボールを奪いに来なかったため、日本は落ち着いてパスをつなぐことができていた。実際、18分までに香川真司、岡崎慎司、内田篤人と立て続けに際どいシュートを放っている。

 だが、時間の経過とともにベラルーシのプレスが勢いを得ると、日本は後方でのパスばかりが増え、もたつきが目立つようになった。前半なかば以降は、後半にFKから岡崎が惜しいシュートを放っただけで、流れのなかからはほぼノーチャンスである。

「高い位置でボールを奪えればチャンスにもなる。2試合で1点も取れなかったのは、いい守備ができなかったということでもある」

 DF今野泰幸がそう語るように、負の連鎖は守備から攻撃へとつながり始めた。

 ザッケローニ監督にしても、試合途中で4−2−3−1から3−4−3に布陣変更した理由について、「ボールの奪いどころが低いところになっていたので、もう少し高くしたかった」と明かしている。

 サッカーにおいて守備と攻撃は表裏一体。いい守備ができなければいい攻撃ができないのも当然と言えば当然だが、今の日本代表は攻守両面で自分たちの姿を見失ってしまった。

 ザッケローニ監督は「ホームとアウェーでの試合内容に差がある」と指摘し、「この課題を解消するために、まずはその原因を見つけなければいけない」と語る。

 だが、結果は別にして試合内容を見れば、先月のグアテマラ戦、ガーナ戦も含めて、ホームかアウェーかに関係なく下降傾向にある。アウェーで戦ったこの2試合だけ、急に悪くなったわけではない。

 それは、チームが一度完成形を迎えて強くなり、さらに上を目指したからこその苦しみでもある。本田圭佑は言う。

「今までやってきたことが出せていない。ワールドカップに向けて新たなトライをすることでうまくいかなくなっている。そのへんのチクハグさは若干ある」

 古今東西どんなに強いチームであっても、いずれは変革を求められる。一度完成形を迎えようとも、それを維持するのは不可能だと言っていい。現状に満足した結果、待っているのは失速であり、低迷だ。

 その意味では、本田が「ワールドカップでアジアカップと同じサッカーをするつもりはない。いろんなシミュレーションをしている」と話すように、一時的な停滞は覚悟のうえで何かを変えようとすることは悪いことではない。

 しかし、今の日本代表を見ていると、「チグハグさ」のほうがあまりに目立つ。言い換えれば、選手ごとに考える「新たなトライ」には違いがあり、チームをさらに強くしようという気持ちは同じでも、進んでいる方向がバラバラになっているように見えるのだ。

 ザッケローニ監督は「自信を失うために(ヨーロッパ遠征へ)来ているわけではない」と言うが、おそらく選手たちは悩んでいる。

 にもかかわらず、先発メンバーを変えることもなく、同じ顔ぶれでプレイする時間を増やし、ひたすら熟成を待つだけのチームづくりでは、「停滞の先の進歩」はない。

 たとえば、ベラルーシ戦では、途中出場のDF森重真人やMF山口螢が堂々としたプレイを見せた。彼らのような存在をもっと「チームの活力」にしていいはずだ。

 悩めるチームの舵取りは監督の責務。ワールドカップ本番まで8カ月に迫った今、ザッケローニ監督のチームマネジメント力が問われている。

浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki