ファイナンス続々で需給悪化へ。狙いは増資済み銘柄と鞍替え候補
常に独自の発想で相場分析や銘柄紹介を行なう、SBI証券の藤本誠之さん。今年いっぱいは株式の需給悪化を予想するが、そんな中、今回もほかの専門家とは違う視点で注目材料・銘柄を紹介する!


増資で一時的に株価が下落した優良株を狙え!

下落か横ばいを予想する西村さんとは対照的に強気スタンスなのが、SBI証券の藤本誠之さん。ただ、一方的な強気ではなく、条件付きの強気だという。

「まず、東京オリンピック開催が第一条件。そのうえ法人税減税や規制緩和などの政策の後押しがあれば、相場は上向きになるとみています。少なくとも、消費税増税が決まるまではかなり上昇するでしょう。消費税増税前の駆け込み需要で、自動車などの高額商品に関しては年末商戦も好調に推移することが予想されますから、強気の企業も増えるはずです」(藤本さん)

駆け込み需要では、4月以降の需要の先取りとの見方もあるが、藤本さんは「そこまで買う気がない購買層の需要掘り起こしが期待できるため、企業業績にはプラス」と話す。

ただ、年末が近づくにつれて、日本の株式相場には大きな問題が控えているようだ。それは、株式投資の軽減税率が12月いっぱいで廃止を迎える中、大規模な公募増資や株式の売り出しが頻発するというのである。

「保有している株に利益が出ていたら、税率が上がる前に一度売っておこうかとなるのが自然でしょう。それは個人投資家だけでなく、大株主にも同じことがいえます。市場外だけでは売りきれない場合はどうするか。公募増資に合わせて、ひっそりと売り出すんです。今後は、年末に向けて大型のファイナンスが続出し、株式相場の需給が大幅に悪化する可能性があります。年明けからNISA(少額投資非課税制度)も始まりますから、年末は買い控えをする投資家も増えるでしょうから、これも需給悪化の要因になります。ただし、年が明ければこれらの問題は片づきますから、需給は大幅に改善するでしょう」(藤本さん)

もっとも、その公募増資を逆手に取って株価の押し目を狙う方法がある。好業績で株価も上昇トレンドだったにもかかわらず、公募増資によって一時的に株価が下落している銘柄を狙う手法だ。株価が再び上昇トレンドに乗ったことを確認した後、買い出動すればOKだという。ポイントは、すでに公募増資が完了していること。今から公募増資する銘柄はNGだ。

さらに藤本さんが注目しているのが、旧大証2部上場で、東証と大証統合後に東証2部にくら替えとなり、東証1部の上場基準を満たしている銘柄である。

「1部昇格が決まれば、機関投資家や投信による買い増しも期待できますから、当然、株価にはプラス材料。つまり、そうした銘柄を?青田買い〞しておくというわけです」(藤本さん)

相場を脅かす目先のリスク要因

1.米国金融緩和の縮小
2.消費税の増税
3.証券優遇税制廃止による需給悪化
4.増資企業続出による需給悪化

39連勝男のストラテジー

戦略1 ファイナンス済み銘柄を狙い撃ち

公募増資によって一時的に株価が下落した銘柄を狙い撃ちする手法。増資後、株価が上昇トレンドに復帰したかどうかは、株価が25日移動平均線を上回ることで確認すればOK。

戦略2 東証1部くら替え候補を先回り買い

旧大証2部→東証2部にくら替えした銘柄の中で、東証1部の上場条件を満たしている銘柄を狙う。実際に昇格しなくても、“昇格するかも”という思惑で人気化する可能性もある。

伝説の39連勝男、藤本さんの厳選10銘柄

大和ハウス工業(東1・1925)
1821円(100株)
PER:16.4倍
PBR:1.63倍
一戸建て住宅の大手でマンションなどにも展開。マンション、土地活用などが好調、同業他社買収分も加わり、今期も最高益更新が濃厚。8月に公募増資済み。