★アメスポ事件簿114★

 ウインブルドンを過去6度制覇するなど、1960年代後半から1970年代前半にかけてメジャー4大大会計12回の優勝を誇る女子テニス界の偉大な名選手、ビリー・ジーン・キング(69歳)。全盛期の1973年には当時55歳だった往年の名男子プレイヤー、ボビー・リッグス(1995年死去)と「男女対抗試合」を行なうなど、女子テニスの発展に大きく貢献した。この男女対抗試合は「性別間の戦い」と銘打たれ、テキサス州ヒューストンで行なわれた試合には3万人以上の観客が訪れるほどの大盛況。結果は当時29歳だったキングが6−4、6−4、6−3のスコアでリッグスに競り勝ち、女性の強さを世界にアピールした。

 しかし今年8月、ESPNがその試合の八百長疑惑を報道。リッグスとマフィアが試合前に密談を持ち、リッグスは自身の10万ドル(当時約2650万円)の借金を帳消しにしてもらうことで負けることに同意したと、当時の会場係員が証言している。

 その報道を見たキングは、「リッグスはそんな卑怯な男ではない」と語った上で、「もし彼が試合に勝てば、次は100万ドルの試合をするチャンスがあった」と、金銭的にもリッグスが負ける理由がないことを強調。ただ、試合から40年後のスキャンダルだけに、本当に八百長があったのかどうか、証明するのは難しそうだ。

三尾圭●協力 text Mio Kiyoshi