年間100の投資で儲けた分の利益が無税

証券優遇税制廃止の代償として、鳴り物入りで始まる「NISA」。毎年100万円の投資枠の利益が完全非課税になるのはうれしい限り。
NISAの内容から投資手法、推奨銘柄まで、しっかり解説!

知りたいことBEST1 最大500万円って何?「100万円×10年」じゃないの?

最大投資枠は500万円 新規投資枠の合計は10年で1000万円!

2018〜2023年は500万円まで非課税

2014年から新たに始まる少額投資非課税制度「NISA(ニーサ)」。毎年100万円を限度に株式、ETF(上場投信)、J −REIT(不動産投信)、公募株式投信の譲渡益や配当金・分配金が非課税になる制度だ。

個人投資家として一番気になるといえば、投資金額はいくらまで非課税になるのか?

「NISAの非課税枠は2014年から10年間、毎年100万円ずつ設定されます。つまり、新規投資枠は10年間の累計で1000万円。しかし、最大投資枠はその半分の500万円です。それは、ひとつの枠の非課税期間が5年で終了してしまうから。非課税枠の総額は5年目の2018年に500万円に到達し、翌年以降は100万円を上限に、新規の非課税枠に毎年ロールオーバーでき、2023年の新規投資枠の非課税期間が終了するまで維持されます」(松井証券・窪田さん)

NISAにはさまざまな制約がある点も理解すべき。「年間100万円の投資枠を使えるのは1回だけ。デイトレードなど短期で何度も利用することはできません。理想の投資対象は、高い配当収入が見込めて、5年間ずっと株価の右肩上がりが続くような銘柄でしょう」

むろん、株価が2倍高、3倍高となりそうな急成長株に投資して巨額の値上がり益を非課税にするのも、ひとつのアイデア。しかし、短期間で利益確定してしまうと、その非課税枠は二度と使えない。「NISAで一番気をつけたいのは、とにかく損をしないこと。NISA口座で発生した損失は、従来の特定口座の利益と相殺して損益通算に使うことも、損失を繰り越すこともできません。何が何でも利益を上げないと存在価値の薄い制度が、NISAなのです」と窪田さん。

NISA口座内の運用商品は、信用取引の担保にすることもできない。

「信用口座は短期売買、NISA口座で中長期投資と、口座別に投資手法を変化させるのがいいでしょう」

知りたいことBEST2 損失の控除ができない…何を買えばいいの?

利回り2〜5%の配当株かJ −REITが◎

分配金利回り5%なら5年で5万円超の節税に

「損したら何の意味もない」のがNISA口座の本質。

たとえば、NISAを使って100万円で買った株が50万円に下落。5年間の非課税期間が終了して特定口座に銘柄移管すると、取得価額は50万円としてカウントされる。それ以上に値上がりした場合、本来は損失50万円なのに、ちゃっかり20・315%の税金が課税されてしまう。

「その意味では、年率5%程度の分配金収入が見込めて、投資口価格も比較的安定しているJ −REITか利回り2%超の配当株などが一番無難な投資対象でしょう。100万円の投資で分配金が年間5万円なら、1年で1万157円、5年で5万円超の節税効果になります」(窪田さん)

知りたいことBEST3 NISAに裏ワザってあるの?

普通の口座で買って、1月に売り。本気でNISA口座で買うのは2月から!

NISA高を狙って今からバリュー株投資

NISAは1人1口座を1つの金融機関にしか開設できないため、証券会社の口座開設キャンペーンが激化中。

「これだけNISAが盛り上がると、来年1月の制度開始直後は高配当で割安な株が、NISA口座からの買い注文殺到で急上昇する可能性もあります。それを見越して、NISA向きな銘柄を今年中に仕込んでおく手もあり。予想通り、NISA高で利益を得たら、2月以降からじっくりNISA投資を始めましょう」(窪田さん)

なにも1月に慌てて買う必要なし! 全体相場が悪化して割安株が増える瞬間をじっくり狙うべきだ。

NISA口座での株の取引手数料ず〜っと“タダ”の証券会社があった!

いったんNISA口座を開設すると、4年間は別の金融機関に変更できないことになっている。

そのため、投信での運用を見込んだ銀行を含め、NISA口座の顧客争奪合戦が勃発しているのだ。

そんな中、「一日信用取引」の手数料・金利0円サービスが大人気の松井証券が、NISA口座においても驚きのサービスを打ち出した。

それがNISA口座の株式売買手数料の“恒久無料化”。NISA口座は年間で100万円しか取引できないので、売買頻度はそれほど高くない。「だったら無料にしてしまえば個人投資家は喜ぶはず」という発想はご立派。今のところ手数料恒久完全無料は松井証券だけ!

この記事は「WEBネットマネー2013年11月号」に掲載されたものです。