マンチェスター・ユナイテッドの前GKコーチ、エリック・スティール氏が、今季開幕から7試合で3勝3敗1分け(9位)と低迷しているマンU不振の原因として、デビッド・モイーズ監督がアレックス・ファーガソン前監督の「コーチ陣を残せ」という助言を無視したことを挙げた。

 スティール氏はマンUのサポーター誌『ユナイテッド・ウィー・スタンド』で、次のように話した。

「ファーガソン前監督は『体制の継続性を保て』とモイーズに言っていた。しかし、私は昨季、素晴らしい成績でリーグ優勝をしたマンUの一員だったが、その仕事を続けられなかった。残念だがそれは私の手に負えないことだ。チームは監督、代表取締役、コーチ陣に加え、スコールズが引退し、大きく変わった」

 一方、モイーズ監督は今季開幕前のプレシーズンで頻繁に起用していた20歳 のイングランド代表MFウィルフリード・ザハをまったく起用しなくなっているが、現地メディアはその理由を、ザハがモイーズ監督の愛娘、ローレンと恋愛関係にあるためと報じた。

 ザハはその報道を「子どもじみたバカな話」と否定したが、香川真司と同様、ザハはファーガソン前監督が獲得した将来性のある選手なだけに、モイーズ監督はここでも前監督の影をかき消そうとしているのかもしれない。

 マンUは復調の兆しを見せつつあり、第7節のサンダーランド戦では、ベルギー出身の18歳MFアドナン・ヤヌザイが2ゴールを決め、「救世主」として時の人となっている。モイーズ監督も自分が見出したタレントだと言わんばかりに「彼は特別な才能を持つ選手」と絶賛している。

藤井重隆●文 text by Fujii Shigetaka