3位の幅口絵里香(右)と大山未希(左)。大山の今季の成長も著しい。ビーチ転向4年目。「自分ではやっているつもりでも、もっとできることがわかった」と話す。

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国内ツアー最終戦、ビーチバレー川崎市杯は13日、川崎マリエン(川崎市)にて男女決勝などが行われた。

男子決勝は、すでに年間総合グランドチャンピオンを決めている西村晃一・日高裕次郎組(WINDS)が、仲矢靖央(フリー)・畑信也(ペボニア・ボタニカ)組をストレートで下し、今季4勝目を挙げた。

女子は、草野歩・尾崎睦組(ミキハウス)が浦田景子・村上めぐみ組(フリー)に圧勝。草野・尾崎組は今季2勝目を挙げ、年間総合グランドチャンピオンを決めた。

3位には井上真弥・青木晋平組(フリー)と幅口絵里香・大山未希組(フリー)が入った。

今季はオリンピック明けのシーズン。その上、男女とも実力者、人気者が一線を退き、否が応でも世代交代が進むと期待された。最終戦は西村・日高組、草野・尾崎組と昨季からの実力派が優勝。同時にこの二組が年間総合優勝も決めた。世代交代が進んだとは言えなかったが、最終戦は多くの選手の「成長」が垣間見えた大会となった。

準優勝の浦田景子と村上めぐみ。互いにここまで一緒に戦ってきたチームメイトから離れ、今大会限定で組んだペアだったが、絶妙のコンビで勝ち上がり、ともに今季初めて決勝まで進んだ。

村上は話す。「準優勝は1年間(ルーキーの)藤井桜子と組んできたことが生きたと思う。サーブで狙われないことが増え、トスであったり、試合をコントロールすることをしなくてはいけなく、いい経験ができた」村上は昨シーズン、金田洋世さん(現日本競輪学校)とのペアで本大会に優勝している。今季は準優勝ではあったが、昨季よりもはるかにプレイに自信がみなぎっていた。「自信と言うより、自由にやっています(笑)。昨年までは、絶対にこうしなくては、というのがあったり、指示されるままに動いていることも多かった。今年はレシーバーとして戦術を判断したり、積極的にコミュニケーションを取るなど、今までとは違うこともあり、その経験がプレイの自信に繋がっていると思う」チームを引っ張る立場になり、役割が変わり積み重ねてきたことが最後に花開いた。

もうひとチーム、プレイに自信が見えたのは幅口絵里香と大山未希。今シーズン後半戦に入って調子を上げ、最終戦で初めて3位の座をつかんだ。幅口、大山ともにキャリア初めての表彰台をものにした。「私よりも大山の成長が大きい。昨年までは自信なさげにプレイしていたが、自分はもっとできるということを大山自身が理解してくれた」と幅口は話すが、大山は「バレーの経験は私の方が多いけど、この1年でビーチバレーを教えてもらったと思う。プレイで気持ちを出せるようにもなった」と幅口の貢献度を語る。確かに大山の調子がチームの結果を左右したが、ゲームをコントロールしていたのは幅口。感情を素直に表現し、大声を張り上げプレイする彼女に、大山もつられてガッツポーズが大きくなっていった。

幅口は「今シーズン序盤は目標を明確にできず、ボヤッとした感じだった。大山は優勝を口にしていたが、私はそうは言えないところもあった。ただ夏場を過ぎてチームがよくなり、目標も考えられるようになってきた。気持ち的にも切り替わった」と振り返る。幅口もまた昨季までとは異なりチームを引っ張る立場に変わり、経験を積んだ。「以前のチームメイトに言われてきたことが、今になってようやく分かることもあった」と話す。村上同様、経験の積み重ねが自信に繋がった。

幅口のチームメイト大山未希、男子の清水啓輔、言うまでもなくチャンピオンである日高裕次郎もそう。大きな成長が見えた今シーズン最終戦であった。


(取材・文=小崎仁久)

結果は次の通り。

□ 男子3位決定戦
青木・井上 2(21-14,16-21,15-11)1 清水・畑辺

□ 男子決勝
西村・日高 2(26-24,21-14)0 仲矢・畑

□ 女子3位決定戦
石田・田中 1(19-21,21-17,9-15)2 大山・幅口

□ 女子決勝
浦田(景)・村上 0(12-21,17-21)2 尾崎・草野