いいスタートをしたが、最後まで持続できなかった松山(Photo by Robert Laberge/Getty Images)

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 石川遼は首位と5打差、松山英樹は首位と6打差で迎えた最終日。どちらも逆転による米ツアー初優勝を狙える位置にいたことは間違いない。
遼、失速米ツアー初Vならず21位タイ…松山が3位タイ
 松山は1番をバーディー発進し、3番、6番、7番とさらなるバーディーを重ねて、首位との差を5打、4打、3打へと縮めていった。だが、その矢先、8番でフェアウエイから打った第2打をグリーン左奥へオーバーさせた。そして、第3打の寄せはグリーンに乗せられず、第4打のチップはピンに寄せ切れず、ショート。ボギーパットはなんとか沈めたけれど、せっかく流れに乗りかけたところで喫したこのボギーは痛かった。
 次なる9番(パー5)は初日も2日目も3日目もバーディーを奪ったホール。だが、8番で手痛いボギーを喫した松山は、一番大事な最終日に、このバーディーホールのティショットを大きく右に曲げ、ボールは赤杭の区域の中の泥でできた溝の中。水がなかったから、そのまま打ってフェアウエイに出し、なんとかパーを拾うことはできた。が、このホールのパーはボギーに匹敵してしまうようなパーであろう。
 結局、松山はせっかく作り出した好調の流れに8番でブレーキをかけ、9番で流れの方向を変えてしまった。「7番まではいい感じで目標をクリアしていたけど8番で流れが変わった」。それならば、なぜ流れは変わってしまったのだろう。なぜ松山はショットが好調だったにも関わらず。8番の第2打を突然グリーンの右奥までオーバーさせてしまったのだろう。「わかりません。それは、いまだにわからない」。本人も返答できずじまいとなった謎だ。
 石川も出だしは好調に見えた。2番、3番とバーディーを奪い、瞬間的には松山の上に飛び出した。が、5番でボギーを喫すると、8番、15番とボギーが続き、以後、バーディーは1つも取れないまま、彼の最終ラウンドは終わってしまった。
 「4日間で一番うまくいかなかった日。それが今日だった」。直接的な原因は「パットのタッチが合っていなかった。タッチを掴み切れずに終わってしまった」と石川は言った。だが、パットのタッチは前日も課題だった。けれど、前日はパットをショットで補い、4アンダーで回ることができた。それなのに一番大事な最終日にパットをショットで、場合によってはショットをパットで、補完し切れず、スコアを落とす結果になってしまったのは、なぜなのだろう。
 「(結果に対する)満足感はほぼゼロ。でも充実はしている」と石川は言った。その言葉は、強がりにも聞こえなくはないけれど、昨季にシード落ちの危機に瀕し、そこから這い上がってきた今の石川は、この言葉を心の底から本気で言ったのだと思う。遅々とした歩みではあるけれど、ほんの少しは前進している。だから充実している。石川はそう言いたかったのだろう。
 11年のWGCブリヂストン招待。昨季のRBCヘリテージ。過去にも優勝が狙える位置で最終日を迎え、ガラガラと崩れたことがあった。それと比べれば、今日は「緊張がスイングに出なかった」。それだけで大いに満足。それぐらい米ツアーにおける成長の速度は遅く、難しい。
 だから、この米ツアーには、イケイケの勢いだけでは掴み切れないものがたくさんある。なぜ?どうして?いくら首を傾げても解明できない謎がいっぱいある。割り切れないこと、納得できないこと、悔しすぎてたまらないことがいくらでも起きる。
 そんなとき、頼りになるものは、日頃から培った技術と肉体が大前提になるのだけれど、最後の最後の砦になるのは自分自身の強い気持ちだ。
 松山いわく、「いいスタートを切ったのに、途中から失速して、勢いを最後まで続けられなかった。最後まで勢いを続けられなきゃ逆転優勝はなかなかできない。途中でどういう気持ちの持っていき方をするか。そこを勉強したい」。
 きっと、そうなのだろう。米ツアーで出くわす謎、ゴルフで出くわす多くの謎を解くカギは、たぶん「気持ち=メンタル面」の中にある。

文 舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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