「梨汁ブシャー」「ヒャッハー!」のかけ声で知られる千葉県船橋市の非公認キャラクター・ふなっしーが売れまくっている。女優の能年玲奈さんと「笑っていいとも!」(フジテレビ系)で共演するなど連日メディアに露出し、グッズ販売も好調のようだ。さらには歌手デビューまで決まった。

「かなり高いロイヤリティーを得ている」と推測

2013年10月2日放送の「アッコにおまかせ!」(TBS系)では、ブレイク中のふなっしーのグッズ販売戦略を取り上げた。イベントとオフィシャルサイト限定の公式グッズを30種類以上販売し、「分身のふなっしーぬいぐるみ(2400円)」、「梨ピアス(2500円)」、「ふなっしー公式Tシャツ(3600円)」などを扱っている。

バンダイやタイトーなど7社の企業と契約してライセンス商品も販売しており、バンダイのガシャポン「ヒャッハー!ふなっしーの遊べるマスコットなっしー(1回200円)」の売り上げは約30万個を記録した。キャラクターグッズを販売する東京・原宿の「KIDDY LAND」でも、ふなっしーグッズが好調で、くまモンやひこにゃんなどの他のゆるキャラよりも売れているという。

番組中、経済アナリスト・森永卓郎さんのコメントを紹介し、

ふなっしー自身が製作しているグッズは、イベントで販売され、多くが完売。その利益は100パーセントふなっしーのものになっていると思われます」

と自前で活動するメリットを指摘した。

また、「企業と契約しているグッズは非公認キャラのため、企業と直接契約を結んでおり、間に誰もはいっていないため、かなり高いロイヤリティーを得ている」として、ふなっしーの今年の年収を約1億円と推測した。

波に乗っているふなっしーは11月27日、「ふな ふな ふなっしー♪〜ふなっしー公式テーマソング〜」でCDデビューを果たす。4月にYouTubeに投稿したテーマソングが最近になって火が付き、ユニバーサルミュージックでのCD化が決定した。ふなっしー自身が作詞作曲し、THE ALFEEの高見沢俊彦さんがプロデュースする。

ふなっしー「いずれブームは冷める」

突然大ヒットしたふなっしーだが、本人は意外にも冷静で日本経済新聞の記事(9月26日)では、取材に対し「いずれブームは冷める」「人気がなくなったら船橋の公園で子供に喜んでもらえればいいかな」と答えている。

また、公式グッズの売り上げの一部を東日本大震災の被災地支援の一環として、公益法人・みちのく未来基金に募金をするなど、あまり知られていない一面がある。イベントとオフィシャルサイトのみで販売しているグッズの一部は、東日本大震災の被災地などにハンドメイド生産を依頼したものだ。

公式グッズの販売を手がける株式会社Selapint代表取締役・川上愛子さんのブログによると、「ふなっしーのグッズは、東北の工場の縫い子さん達や工場がなくなって縫い子さんを辞めるしかなかった方達が1つ1つ手作りしている」。

ツイッターでは、ふなっしーのこうした姿勢も評価され、

ふなっしーは募金したり東北に行ったりしてるけど それをあまり大々的に言わない あのサラッとした感じが好感がもてる」「ふなっしーは、震災があってから東北復興支援をずっとずっと続けてくれているんです。ありがたい…」

などとつぶやかれている。