[其ノ三 投信ファンダ編]低コストのインデックス型が人気
来年1月のNISA開始を前に個人投資家の投資熱が上がりつつある。投信でも長期投資を見据えた低コストのインデックス型の新規設定が目立ち始めた。


NISA向きの投信は、リスク限定型ではなくインデックス投信?

来年1月にNISA(ニーサ=少額投資非課税制度)が開始されることに伴い、投信運用会社各社は、同制度と相性のよいファンドを相次いで投入しています。その中でも、仕組みがわかりやすいインデックス型は、投資初心者にも適した投信のひとつとして見直されてきました。

インデックス型とは、ベンチマーク(運用のよしあしを測る基準)に掲げた特定の指数(インデックス)とおおむね連動した運用成果を目指すタイプのファンドです。

これに対し、アクティブ型は、将来的に値上がりが期待できる銘柄に投資することで、ベンチマークを上回る運用成果を追求します。

インデックス型とアクティブ型の最もわかりやすい違いはコストです。インデックス投信では、組み入れ対象銘柄を選定するための調査費用などがかからず、機械的に運用できるため、信託報酬を比較的低く抑えることができます。また、アクティブ型よりも商品設計がシンプルで、商品説明の負担が少ないこともあり、実際の販売手数料は目論見書上に記載されている最大値よりも低い水準が適用されることが多いようです。インデックス投信シリーズの代表格である「eMAXIS」「SMT」「Funds-i」の3シリーズはどれもインターネット証券を中心に販売手数料無料で展開されています。

なお、信託報酬についてはファンド間でバラツキがあり、運用成績にも若干の差が生じることがあります。先の3シリーズの信託報酬率を比べてみると、いずれもきわめて低い水準ではありますが、SMTシリーズ(三井住友トラスト・アセットマネジメント)の一部のファンドが、わずかに他の2シリーズの信託報酬率を下回っていました。

また、各シリーズのファンドの種類について詳しく見てみると、「eMAXIS」「SMT」「Funds−i」の3シリーズは、新興国を含む国内外の株式と債券、そしてREIT(不動産投信)を基本ラインアップとして取りそろえています。さらに各社独自のラインアップとして、「eMAXIS」ではNYダウと全世界株式のほか、2種類のバランス型も展開しています。個々のインデックス投信を均等に組み合わせた「8資産均等型」と、市場動向に合わせてインデックス投信の資産配分を変更する「波乗り型」の2ファンドです。「インデックス投信を買ってみたいけど、どれを選べばいいのかわからない」という投資初心者にお勧めしたいタイプのひとつです。「Funds−iシリーズ」では、外国株式と新興国債券の為替ヘッジ付きが用意されています。こちらは、為替変動に左右されることなく、日本円ベースで運用成果を確保したい方にオススメです。

NISA向けに新たにインデックス投信シリーズを設定する運用会社も出てきていますが、投信そのものの仕組みや商品性は、既存ファンドと変わりありません。

先日、金融庁は2014年度の税制改正要望に、NISAに関して複数口座を開設できることや、国債や公社債投信も非課税の対象に加える方向で検討に入ることを発表しました。来年1月に始まるNISAですが、今後も使い勝手に関して、さまざまな変更があるかもしれません。

今回紹介した3シリーズ以外にも、インデックス投信は数多く運用されています。ベンチマークの指数やコストなどを、ぜひ比較してみてください。

低コストインデックス型ファンド3シリーズの概要

eMAXISシリーズ
運用会社:三菱UFJ投信
・全世界株式
・NYダウ
・バランス型(波乗り型、8資産均等型)

SMTシリーズ
三井住友トラスト・アセットマネジメント

Funds-iシリーズ
野村アセットマネジメント
・為替ヘッジ型 (外国株式、新興国債券)

3シリーズ共通
・国内株式(TOPIX、日経225)
・国内債券
・外国株式(先進国、新興国)
・外国債券(先進国、新興国)
・REIT(国内、海外)

※リッパー・ジャパン調べ。TOPIX=東証株価指数。

今月の海外投信ノ「値」5万ドル

米国の個人向けヘッジファンド最低投資額

米国のブラックストーンとフィデリティは、提携して個人投資家向けにヘッジファンドへの投資機会を提供することで合意しました。通常は機関投資家しかアクセスできない投機的な商品に投資できるほか、運用マネジャーからのアドバイスも受けられます。



【今月の投信師匠】
篠田尚子(SHOKO SHINODA)
トムソン・ロイター・マーケッツ

慶応義塾大学法学部卒業。リッパー・ジャパンに所属するファンドアナリスト。情報量の多さと分析の鋭さは天下一品!



この記事は「WEBネットマネー2013年11月号」に掲載されたものです。