この日の目玉商品は十勝産の長芋だった (c)TVh「けいざいナビ北海道」

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 いまやあらゆる業界でM&Aによる大手企業への集約化が進んでいるが、スーパーマーケット業界も例外ではない。北海道ですら、この数カ月の間にイオンとセブン&アイによる地元スーパーチェーンの買収が相次いで発表された。

 地場スーパーにしてみると、身売りしなければ近隣の土地に大手スーパーが進出してくるかもしれない。大手に進出されて競争に太刀打ちできずに業績が悪化してしまうリスクを考えると、業績が良いうちに大手の傘下に入ってしまうというのは一つの選択肢である。

大手の傘下に入らず熱狂的なファンを抱える地場スーパー

 実際、最近セブン&アイの傘下入りを決めた北海道帯広をベースとするダイイチも業績はよかった。地場スーパーにしてみると、大手の傘下に入れば、品揃え(商品仕入れ)、店舗運営のノウハウ、システム投資(売れ筋商品の把握、在庫管理、ビッグデータの活用)、社員教育システムなど、レベルアップ可能なものがたくさん思いつく。

 それに加えて間接費の削減効果だ。また特に、未上場の地場スーパーの場合は、会社の借入金に対してオーナー経営者が個人保証を入れていることもよくある。一旦、上場企業である大手スーパーの傘下に入ってしまえば、その個人保証を外してもらうことが可能だ。これは、地場スーパーのオーナー経営者にとっては大手傘下に入る大きなインセンティブとなろう。

 そんな中、独力で熱烈なファンを抱える地場スーパーも存在する。テレビ北海道「けいざいナビ北海道」ではそういう地場スーパーの生き残り戦略を特集した。ほかの地域の地場スーパーの生き残り戦略にもヒント満載である。以下紹介していく。

地元愛を商売に活かす

 まず一つ目は札幌にあるマルコーという地場スーパー。写真の値段を見ての通り、激安の野菜や果物の存在が人気の理由の一つだ。定期的に仕入れ業者にお願いして目玉商品を作ってもらうそうである。

 ただ、単にいくつかの安い商品があるだけなら顧客にはすぐに見破られてしまう。このスーパーがすごいのは、野菜は多少高くても北海道産を販売することだ。輸入品を扱うことはない。売り場に行くと、どの野菜の値札にも「北海道産」という文字が大きく書かれている。

 特に北海道の場合は、消費者の道産野菜に対するこだわりと誇りが強い。大手スーパーだと、日本全国から最も安い野菜や旬な野菜を手配することができるので、そのほうが消費者にとってのメリットが大きいように思うが、地方ゆえの地元愛の存在は盲点であろう。

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