「6月1日からアナリストになってまだ日は浅いですが、率直に言って仕事は楽しいですし、やってよかったと思っています」と語る片山さん。ピックアップした銘柄の中には1カ月もたたない間に4倍になったものもあるとか。

そんな?新人〞アナリスト・片山さんの2013年後半の投資展望といえば、「世界の株式市場の中で、相対的に日本市場が好調という状況は変わらないと思います。ただ、米国の量的緩和縮小という不安材料がある以上、春先のような一直線の株価上昇は見込めません。こういうときは市場全体の値動きに連動しやすい株よりも、その銘柄独自の成長力やテーマ性を評価できるような株を狙うべき。いい株・悪い株を見抜き、個別株の優劣を取りにいくスタイルが最適だと思います」。

セクターとしては、「国内に広く行き渡ったスマートフォンというハードにアプリやサービスを提供する企業」に注目。

NISAは利回り3%超の最高益更新株を狙う

2014年からは証券税率が10%から20%に跳ね上がり、期待の少額投資非課税制度「NISA」がついに始動する。株式市場に訪れる?一大転機〞に関しては、「保有する株に対して、数年後のスパンでどれぐらいの業績になるか、というイメージを持つことが大切だと思います。そこからPERなどからアバウトでもいいので目標株価を逆算する手法を自分なりに磨くべき。証券税制が10%から20%に戻る中で、目標株価までまだ相当ギャップがある株は利益確定や損切りはしないで持っておく。目標株価に近づいた銘柄は税率の低いうちにいったん利益確定するのも手だと思います」

新たにスタートするNISAについては、「年間100万円で回転売買はしづらいので、とにかく利益を出さないことには制度上のメリットがありません。欲を言えば配当利回り3%以上で、過去最高益や3期連続増収増益を更新しているような銘柄を狙うべき。しかも、ビジネスモデルが今後も廃れない企業が投資ターゲットになりそうです」

とアドバイス。当然、NISAの投資対象には、2008年9月の設定以来、一貫して運用成績がプラス、今年に入って基準価額が大躍進中の「ひふみ投信」も含まれる!「個人投資家として腕を磨けばプロの世界でも通用する」――、片山さんの成功は多くの個人投資家の励みや目標になるはず。片山さんを応援しよう‼

片山晃(かたやま・あきら)
レオス・キャピタルワークス 運用部シニアアナリスト

2005年、個人投資家として運用を開始。06年、前職を退職して専業投資家に転じ、以後12年まで7年連続で2ケタの年間リターンを達成。ファンダメンタルズベースの中長期投資を軸に、トレーダーの視点も併せ持った発想力が強み。



この記事は「WEBネットマネー2013年11月号」に掲載されたものです。