五月=片山晃登場!
2012年までの逆バブル相場に勝った個人のカリスマ
6月から投信運用のシニアアナリストとしてプロに!

ネットで話題のカリスマ個人投資家がプロの投信アナリストに大変身。そんな夢物語の主人公「五月」こと片山晃さんが本誌初登場。証券増税に負けない資産運用の極意や今後の相場展望について聞いた!

個人投資家も腕を磨けばプロになれる日が到来

「資産10億円のカリスマ個人投資家がプロのアナリストに転進!」というと、マンガやドラマの世界の話に聞こえるかもしれない。しかし、そんな?夢物語〞をみごと実現させたのが、「ひふみ投信」を運用するレオス・キャピタルワークスでシニアアナリストを務める片山晃さん(31歳)。というよりも、ネット上では元手65万円を7年半で10億円超に増やしたカリスマトレーダー・五月さんとして有名になった若者なのだ。

なぜ、たった一人で株の世界で成功しながら、プロの世界に転じたのか?

片山さんは朴訥ながら理路整然とした口調で、こう振り返る。

「2012年までは株式市場に超割安な小型株が多数あった『逆バブル』相場で、個人投資家の自由度の高さを生かせば楽に儲かる状況が続いていました。しかし、アベノミクス相場では機関投資家が主役。大型株主導の王道相場になり、それまでの環境に適応し過ぎた自分は周囲が大儲けする中でむしろ損失を出してしまった。過去にない経験で、相場と自分の感覚のズレは致命的と判断し、休止を決断しました。しばらくは休みながら今後を考えましたが、既存の延長線上に答えはないとの結論に至り、投資家として一度は見ておきたかった機関の世界を真剣に検討し始めました。そこで、以前からインターネットを通じて面識のあったレオス・キャピタルワークスの藤野英人氏と面談を重ね投資哲学や理念を共有。入るならここしかないと思い、周囲の後押しもあって大転換を決意しました」

五月流・超割安株の底値買いは投信運用に類似!?

専業トレーダーと投信。まるで水と油のように思うが、五月さん時代の投資法には?投信的〞要素があったのも転進のきっかけになったのかもしれない。

「僕が株式投資を始めたのは、2005年5月でしたが、当初は多くの個人投資家同様、超短期売買で稼いでいました。しかし、デイトレーダーとしての自分はよくて?中の上〞でしかない。それで別の方向を模索して大成功したのが、新興市場などの超割安な小型の成長株を狙った中長期のスイング投資だったんです」

2010年には、恋愛シミュレーションゲームのボルテージがIPO(株式の新規上場)直後にベンチャーキャピタルの売りでPER(株価収益率)7倍まで暴落したところに大きく投資。みごと上場来安値近辺での買い集めに成功し、資産は大幅に伸びた。このスイングに手ごたえをつかんだ片山さんはその後、ITクラウドサービスのシナジーマーケティングに資金の半分を投じて再び成功。独自の?超割安新興株の底値買い〞スタイルを確立した。

当時は、リーマン・ショック後の株安や円高で、多くの個人投資家が辛酸をなめていた。そんな時期に資産を躍進させ、反対に全体相場が大活況に転じたアベノミクス相場の初動で?引退〞を表明した五月さん。自身を評して「へそ曲がり。世の中に対して逆張り志向」という投資遍歴は、ネット上でも話題騒然だった。

しかし、よく考えてみると、「有望な成長株を割安な株価で仕込んで中長期投資」という?五月流〞は、アクティブ運用の株式投信のスタイルそのもの。こうした共通点もまた、それまでネット上の人物として地方都市のアパートで一人、相場と向き合ってきた五月さんが、すんなり「投信アナリスト・片山晃」に?大変身〞できた理由かもしれない。