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京王電鉄の電車・バス開業100周年を記念し、京王線多摩動物公園駅前にあった施設を一新した「京王れーるランド」が、10月10日にリニューアルオープンを迎えます。同社の往年の車両5両の展示をはじめ、ミニ電車の運転、6000系のカットボディを使用した本格的運転体験など、ファミリーから鉄道ファンまで楽しめる施設になるようです。

「京王れーるランド」のオープンを記念し、今回は京王電鉄の写真を紹介します。京王線沿線に住む筆者の祖母宅へ遊びに行くときなどにちょっとカメラを向けた程度ですが、「グリーン車」と呼ばれた旧タイプの車両をはじめ、往年の車両が写っていました。

1975(昭和50)年、撮影当時の京王線は、主力車両だった5000系・6000系とともに、旧型車も活躍していました。アイボリーカラーの5000系・6000系に対し、旧型車2000系・2010系などは緑色に塗装されていたため、「グリーン車」と呼ばれていました。

ちなみに、新しい「京王れーるランド」では、5000系と「グリーン車」が並んだ写真2のような展示も見られるそうです。

「グリーン車」2000系は1957(昭和32)年から製造された17m級片側3ドア車で、当時の最新技術「カルダン駆動」を採用し、京王帝都電鉄初の高性能車として活躍しました。1959年からは、2000系の後継にあたる2010系も製造開始されました。これら「グリーン車」の最大の特徴が、当時の鉄道車両の流行だった「湘南顔(湘南形)」を取り入れたことです。

「湘南顔」とは、当時の国鉄80系(1950年製造開始)に採用された「正面2枚窓・半流線型」の斬新な前面デザインのこと。「湘南顔」は国鉄・私鉄を問わず、80系の登場以降に製造された鉄道車両の前面デザインに、多大な影響を与えました。

京王「グリーン車」2000系もまた、見事な「湘南顔」で登場しました。同時期に製造された東急電鉄旧5000系、通称「青ガエル」も、「湘南顔」の影響を受けた車両といえます。参考までに、国鉄80系と東急旧5000系の写真も紹介しましょう。

さて、「湘南顔」の車両は京王線ばかりでなく、井の頭線にもいました。通称「ステンプラカー」3000系と、「グリーン車」1000系です。

京王3000系は1962年から製造開始された井の頭線用車両です。当時の車体前面は好ましい「湘南顔」で、前面上部にFRP(繊維強化プラスチック)を使用したため、ステンレスとプラスチックを合わせた「ステンプラカー」という通称がついていました。一方、井の頭線にも存在した「グリーン車」旧1000系は、京王線2000系の井の頭線バージョンといえる車両。こちらも見事な「湘南顔」でした。

今回の写真を見ながら、気づいたことがあります。それは、最初の編成が製造されてから50年以上が経つ「グリーン車」2010系をはじめ、京王線5000系や井の頭線3000系、さらには東急電鉄旧5000系までもが、いまだに中小私鉄で現役で活躍していること。日本の高度経済成長期を支えた昭和の電車たちに、末永く活躍してもらいたいものです。

○「鉄道懐古写真」撮影時期と撮影場所

※写真は当時の許可を取って撮影されたものです

松尾かずと

1962年東京都生まれ。

1985年大学卒業後、映像関連の仕事に就き現在に至る。東急目蒲線(現在の目黒線)沿線で生まれ育つ。当時走っていた緑色の旧型電車に興味を持ったのが、鉄道趣味の始まり。その後、旧型つながりで、旧型国電や旧型電機を追う"撮り鉄"に。とくに73形が大好きで、南武線や鶴見線の撮影に足しげく通った

(松尾かずと)