「スーパーIT高校生」のTehuくん(写真中央)の新連載コラムがスタート! ITではなく、もうひとつのスーパーな分野・ID(アイドル)を語ります!

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僕は、アイドルがいるから、ここにいます!

さあ、突然のかっこいいセリフから始まった本連載。別になにか高尚なネタを扱って日本の未来を論じたりとか、そういったことは一切しません。テーマは「アイドル」です。

いきなりすいません。本題に入る前に自己紹介をしておきますね。

僕は灘高校3年生のTehuといいます。中学生の頃からクリエイター・プロデューサー・パーソナリティとしてネット上で活動してきました。iPhoneアプリを作り、「スーパーIT高校生」といわれ、数々のメディアにも取り上げていただきました。

その後も同級生による女装グループをプロデュースし、Ustreamで自分の番組を定期的にやりました。3つとも、100万人以上の人々に届くヒット作になりました。

ライブや握手会で何万人もの人々を集める、ももクロの玉井詩織さん、AKB48の入山杏奈さん、乃木坂46の生駒里奈さんといった同い年(1995年生まれ)の人気アイドルには勝てないかもしれませんが、いろいろと良い仕事もしたはずだし、今ではなんとか胸を張って「Tehuです」と名乗ることができるようになりました。

すると、最近のトレンドでしょうか、いろんな人達に「アメリカ留学」を勧められるのです。

でも、僕は今アメリカに渡ることは間違っていると確信しています。アメリカは素晴らしい。でも、今の日本はどこよりもアツい! 「まじかよ!?」と思うようなエコシステムが成立し、巨額の金が動き、多くの人々が満足感に満たされている。アイドル業界がまさにその一つです。これからクリエイティブの世界で仕事をしていき、「社会演出家」を目指すにあたって、これほど楽しい時代に日本にいない術があるでしょうか。

改めて宣言させていただきます。僕はまさに、アイドルがいるから、日本にいるのです!

日本の未来を論じること自体は、いずれすることになるかもしれませんね。ただ、本連載が中心に取り上げるのは、日本にしかない摩訶不思議な文化「女性アイドル」です。

今でこそプラットフォーム輸出などによって近隣諸国でも女性アイドルが見られるようになりましたが(ジャカルタのJKT48など)、ほかの国々を見ていて、こんな存在があるでしょうか。

歌って踊ってかわいくて、演技もして、ときにはお笑い番組で酷い目に遭わされて……。それでも多くのファンがついていき、人気になればエンタメ国家・日本の芸能界の頂点に立てる――。

僕は2年ちょっと前、つまり高校1年生だったときにアイドルに魅せられました。自分の好みに合うカワイさの持ち主がいた(この話も本連載で後にしますね)というのもありますが、何より彼女たちの姿勢、生き方に驚かされたのです!

アイドルファンはどうしても一部の人達から差別的に見られがちです。彼女ができない「非リア充」がハマるものだとか、単純に気持ち悪い……などなど。もちろんアイドルファンの全員が「非リア充」じゃないとは言いませんが、僕はとにかくアイドルという存在自体が大好き!

その理由はこの一言に尽きます。「尊敬」です。

連載一回目にして喧嘩腰になるのも何ですが、アイドルを批判する人に問いたいです。あなたは、ステージに立っているあの娘より頑張っていますか? Yesといえる人は多くないはず。何も考えずにYesと言った人は、一度AKB48のドキュメンタリー映画か、アイドルのライブDVDのメイキング映像をみると良いでしょう。

アイドル界はつねに競争。ルックスや企画の斬新さだけで生き残れるようなヤワな世界ではなくなっています。そんな中で、どうやって自分独自のカラーを打ち出して、みんなに理解してもらえるか? そして、どうやってその理解を支持に変換するか? マーケティングのプロでも一筋縄では行かないような戦いに、まだ20歳にもなっていないような女の子たちが挑んでいるのです。そんな彼女たちの姿は、最高にクールです。

アイドルファンは、多かれ少なかれ、自分の推しメンのそんな一面に尊敬の意を評しているのでしょう。

アイドルの魅力は、突き詰めてみると非常に奥深い! この連載は、アイドルネタにめっぽう強い『週刊プレイボーイ』のWEB版(週プレNEWS)に掲載されるということで、僕や周りの人々がアイドルにハマっていった実体験をベースに、本業であるクリエイターの視線からみたアイドルについて、徹底的に追いかけていきます。

メジャーなものから激地下アイドルまで、一切区別はしません! いくら人気でも、事務所に推されていても、僕の推しメンであったとしても、この連載では特別扱いはしません! 実際に見聞きして、現場に行って、感じたことを率直に書いていく。そうやって、読者の皆さんと一緒に、アイドルという職業に就いている女の子ひとりひとりを見守っていけたらと思っています。そしてそういった姿勢こそが、アイドルという世界の未来について考えることに直結することになるはずです。

決して、「ロジック」ではありません。なぜ好きなのか? なぜ人気なのか? ではなく、「好きだから好き!」「可愛いから可愛い!」という、論理では語れない部分に迫っていきたいのです。そしてそこから、今後のアイドル業界であったり、もしくはさらに視野を広げてポップカルチャーや日本社会全体の行き先を見て行きましょう! お楽しみに!

「デジタルクリエイターTehuの残念ながら、アイドルヲタです。」は毎週金曜日更新!

■Tehu(てふ)

1995年神戸市生まれ。灘高校3年生。デジタルクリエーターとして多くのプロジェクトに参加するほか、講演や執筆など多岐にわたって活動している。著書に『スーパーIT高校生“Tehu”と考える 創造力のつくり方』(Google日本法人元会長の村上憲郎氏との共著)がある。

オフィシャルウェブサイト:http://tehu.me/

Twitterアカウント:@tehutehuapple