今後ますます熾烈化する世界スマホ戦争。その勝負のカギは、「入力革命」が握っていると大前研一氏は指摘する。それは何故なのか大前氏が解説する。

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 現在、スマホの次世代端末としては「ウエアラブル(身につけられる)型」が話題になっている。先行するソニーをはじめサムスン、クアルコムは腕時計型を発表し、グーグルはメガネ型の試作品を開発している。だが、それらは方向性が違うのではないかと思う。

 なぜなら、スマホの最大の問題は今や「携帯性」よりも「入力」だからである。なかにはスマホのタッチパネルで会議の議事録を同時入力できるような“達人”もいるが、普通は無理だ。だから無料通話・メールアプリのLINEやViberではスタンプが流行っているわけだが、スタンプだけでは表現に限界がある。

 タッチパネルより便利なのは「音声入力」だ。私はiPhoneやiPad miniで文章を作成する時は音声で入力し、間違っている部分だけタッチパネルで修正している。しかし、音声はオフィスや会議室、電車の中など周囲に人がいる場所では使えないし、まだ喧騒の中では正確な認識が難しくて誤入力が多い。

 したがって、次のスマホ革命は「いかに画期的な入力方法を開発するか」の勝負になる。たとえば、車の自動運転技術が開発進行しているように、自動文章作成というか、スマホが文章の内容を文脈から予測変換してユーザーに選ばせる、といったような方法もよいかもしれない。

 とにかく画期的な入力方法や入力デバイスを生み出すことが次世代スマホのイノベーションとしては極めて重要になり、この入力革命を制した企業が俄然、大きなアドバンテージを得ると思うのだ。

※週刊ポスト2013年10月11日号