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あなたは、夏から秋へと季節が移り変わっていく変化を、何から感じ取りますか? 『枕草子』の「秋は夕暮れ」には、「日が暮れてからの風の音や虫の音は、言うまでもなく趣深い」ということが書かれています。もちろん清少納言の感想ですが、このことから日本人は、平安時代の昔から、秋の匂いを感じ取る一つとして、虫の音を楽しんでいたようです。

秋になるとトンボ、コオロギ、マツムシ、カネタタキなどの虫を見かけたり、鳴き声を耳にしたりします。そこで、都心において虫の音を楽しめたり、虫と親しめる施設やスポットをご紹介します。

■都会のオアシスで、自然に生息する虫と親しむ

JR南北線・都営三田線の「白金台」駅より徒歩5分に位置するのが、国立科学博物館附属自然教育園です。江戸時代には、「水戸黄門」として知られる、徳川光圀(とくがわ みつくに)の兄にあたる高松藩主松平頼重(まつだいら よりしげ)の下屋敷であったため、園内には今でも当時の庭園の名残があります。その広さは20ヘクタール(6万坪)にもなります。園内では、2,100種もの昆虫が記録されており、教育管理棟では、詳細な解説や本なども見ることができます。また、ホームページでは、週に1度、見ごろの虫や植物が更新されているので、チェックしてから足を運ぶと、東京のオアシスをいっそう堪能できるはずです。

続いては、都心より少し外れた、町田市の北西部にある都立公園小山田緑地。標高123メートルから多摩丘陵の山並みを展望できる「みはらし広場」や、ボール遊びもできる草地の運動広場、トンボが生息する「トンボ池」などがあり、さまざまに自然の表情を楽しむことができます。「セラピストと歩く癒しの小山田緑地〜秋〜」や「晩秋の小山田緑地を歩こう」など、秋をテーマにしたイベントも予定されています。

■博物学者ファーブルについて知りながら、虫と親しむ

文京区にあるファーブル昆虫館「虫の詩人の館」は、少し違ったアプローチで「虫と親しめる」スポットになっています。昆虫と触れ合えるのはもちろん、『ファーブル昆虫記』を著した、偉大な博物学者ジャン・アンリ・ファーブルの生家が再現された展示室は、訪れる人の好奇心を掻き立てています。採集会や、標本教室なども開催されており、親子連れや恋人同士で参加する人も多いようです。

 「都心は、自然を感じることが少ない」と思い込んでいる人も多いかもしれませんが、広大な庭園や緑地など、植物や虫と親しめるスポットが、実はたくさん残されています。空が澄み渡り、風が爽やかに感じてきたら、ぜひ、秋の虫たちの声を聞きに、出かけてみてはいかがでしょうか。

文●市川遥(エフスタイル)

【参照元】

国立科学博物館附属自然教育園:

公益財団法人 東京都公園協会:

NPO日本アンリ・ファーブル会: