ほとんどのオリンピック会場は、選手村を中心とする半径8キロ圏内。この圏内に土地を持つ企業の含み資産に注目!


東京湾岸地区の土地持ち企業に注目

前述したように、2020年に開催される東京オリンピックは、選手村を中心とする半径8キロ圏内にほとんどの競技会場が設置されることになる。選手村は東京・晴海ふ頭に建設される。なお、晴海ふ頭は、銀座に隣接しているほか、エンターテインメント施設や未来型の建築物が立ち並ぶ臨海都市・台だい場ばにも隣接している地域である。

東京都の資料によると、選手村の収容人数は1万7000人で、大会後は?国際交流プラザ〞として、国際交流の拠点となる文化・教育目的の複合施設と住宅との開発計画が検討されている。

つまり、オリンピック終了後には、ひとつの街として発展することが約束されているのである。当然、当該地区の土地価格は急騰するはずだ。

同地区、および隣接する地域に土地や建物を所有する企業の「含み資産」が増えるというわけである。

含み資産とは、企業が保有する株や不動産などの資産の評価価値のこと。保有資産の時価が、その資産を取得した際の帳簿価額を上回っていれば、それが含み資産となる。

ちなみに、春先の株式市場の上昇相場でも含み資産銘柄は脚光を浴びた。遊園地やゴルフ場など、膨大な敷地を持つ、よみうりランド株は昨年末から4月にかけて約4倍、東京ドーム株も2倍超まで駆け上がっている。

東京オリンピック関連の含み資産株として決定前から動意づいていたのは、ケイヒンやイヌイ倉庫、東京都競馬など。これら銘柄も短期倍増を達成し、その後は開催地決定を前に利益確定売りに押され、いったん調整に入っている。つまり、現段階ではさほど割高感も台頭しておらず、手がけやすい水準にあるといっていい。また、湾岸地区に最も近い東京国際空港(羽田空港)のインフラも急ピッチで進むはず。近隣に土地、建物を所有する企業は要注目だ。

含み資産関連の注目10銘柄

ケイヒン 東証1部(9312)
181円(1000株)
PER:19.7倍
PBR:0.86倍
配当利回り:1.65%
倉庫業や運輸業を手がける総合物流。国際物流や通関などに強みを持ち、これまでもオリンピック関連銘柄として動意づいた実績あり。

イヌイ倉庫 東証2部(9308)
1003円(100株)
PER:364.7倍
PBR:1.08倍
配当利回り:1.79%
東京・勝どきを中心に倉庫業と不動産業を展開。選手村予定地の近辺に約2万平方メートルの土地を持つ、土地持ち企業として注目。

東京都競馬 東証1部(9672)
481円(1000株)
PER:89.0倍
PBR:2.67倍
配当利回り:0.62%
東京・品川区に大井競馬場約39万平方メートルを所有している。なお、大井競馬場は、選手村から8キロ圏内に位置している。

巴コーポレーション 東証1部(1921)
427円(100株)
PER:116.0倍
PBR:0.90倍
配当利回り:1.40%
湾岸地区の東京・豊洲に不動産を保有。時価総額も比較的小さく、注目が集まれば一気に株価が急騰する可能性を秘めている。

テーオーシー 東証1部(8841)
840円(100株)
PER:40.3倍
PBR:1.66倍
配当利回り:1.07%
東京・五反田に倉庫ビルを5棟所有するホテルニューオータニ系の企業。4月高値の913円を奪回してくれば上昇に弾みがつきそう。

石井鉄工所 東証1部(6362)
337円(1000株)
PER:25.5倍
PBR:1.46倍
配当利回り:1.48%
石油やLPGなどのタンク専業だが、工場跡地の不動産賃貸が好調。東京の銀座や月島、目黒などの社有地にマンションなどを建設。

ダイビル 東証1部(8806)
1083円(100株)
PER:24.8倍
PBR:1.01倍
配当利回り:1.10%
東京の八重洲、日比谷、秋葉原といった選手村から比較的近い地域にオフィスビルを他数保有している。商船三井のグループ企業。

日本冶金工業 東証1部(5480)
242円(500株)
PER:37.5倍
PBR:1.23倍
配当利回り:無配
同社の川崎工場の含み資産に注目。オリンピック関連以外にも、国家戦略特区として、工場の一部転用や再開発の可能性もある。

飯野海運 東証1部(9119)
592円(100株)
PER:12.4倍
PBR:1.40倍
配当利回り:1.35%
主軸は海運業だが、不動産の賃貸なども手がけており、こらが収益の柱に。東京・霞ヶ関の官公庁の真ん中に大型の賃貸ビルを保有。

空港施設 東証1部(8864)
795円(100株)
PER:25.2倍
PBR:0.95倍
配当利回り:1.50%
羽田空港(東京国際空港)を中心に、全国13の空港に格納庫や整備用の施設などを運営・賃貸している。筆頭株主はJALとANA。

※株価は9月9日現在

この記事は「WEBネットマネー2013年11月号」に掲載されたものです。