来年にかけての日本経済、株式市場と為替相場の展望
米国の著名ストラテジストが来年の日本経済に対してかなり強気な予想を明らかにしているが、私も同様に株価・為替ともに強気に見通している。


年初に「びっくり10大予想」を発表することで有名な米国のストラテジスト、バイロン・ウィーン氏が日本に関する「びっくり5大予想」についてインタビューされた報道内容をつい先日読みました。彼がこのたび明らかにした日本経済についての5大予想に対して私の考えを述べてみたいと思います。

ウィーン氏の5大予想の1番目は、来年中に「1%の成長、1%のインフレ率、1%の日本国債利回り」が実現するというもの。私はこれについてまったく同感であり、時間の問題で達成すると思っています。

2番目は、「農業規制緩和で経済活性化へ」というもので日本が規制緩和に向かっていくと予想しているようですが、これについても同感で、TPPへの参加がありますから基本的にはそういう方向に向かわざるをえないと思っています。

3番目は、「日本と中国の関係が良好になる」というものですが、これも基本的にはそういう方向に両国とも向かわざるをえないと思っています。

私は中国を取り巻く経済環境について、?6%台にまで落ちるともいわれる経済成長率の低下、?米国主導のTPPにより中国包囲網が完成しつつあること、?外国資本の中国からの引き揚げ、などなど一段と厳しさを増しているとみています。この?について、日本の実業界、とりわけ製造業からよく聞こえるようになってきているのは、工場を新設するにあたってはもはや中国より人件費がより安くなったベトナムやカンボジア、あるいはミャンマーへという?ASEANシフト〞の声です。

中国における「影の銀行(シャドーバンキング)」問題を解決に向かわせるべく、中国が統制経済を徐々に自由化の方向(これは中長期的には望ましいこと)へと舵を切り始めている中で、今は一時的な混乱が生じているような状況でもあります。さらに民族問題もいろいろなところで激しく起こっているわけで、尖閣問題をめぐっていつまでも日本を敵対視し続けるのは中国にとっても非常によくない状況だということです。

他方、日本にとっても中国との関係改善は経済に最も大きなインパクトを及ぼす面があり、私自身はアベノミクスの「第3の矢」の1番目に本来それがあるべきだとも考えていますが、日本は中国という巨大市場を失わぬよう何が何でも早急に関係改善を図らねばなりません。私見を述べるなら、「尖閣国有化」以後に問題がこれほどまで大きくなったわけですから、たとえば日本に所在地がある日中両国の友好促進を目的とした組織に政府が金をつけ、いったん国有化したものをそこが買い上げるということにするだけでも、この問題は解決に向かっていくのではないかというふうに思っています。

ウィーン氏の4番目の予測は、「円安が進行し1ドル=120円に到達」というもの。これについては、景気回復が前提ながら米国の量的緩和縮小観測が高まっている一方、日本では「異次元緩和」の継続が見込まれており、日米長期金利差が今後拡大していく限りにおいて基本的に円安基調をたどっていくだろうと思います。ただし、ウィーン氏が言うように1ドル=120円までいった場合は、輸入物価の高騰など日本経済にとっては行きすぎで、100〜105円の間で止まったほうがよいわけですから、日本としてもうまくコントロールしていくべきだと思っています。

最後の5番目は「日経平均株価は来年に2万円か」というもの。これについて言えば、私はブログなどで日経平均1万6000円説を唱えてきましたが、今はそれを1万8000〜2万円としています。日本の相場は一時的に調整局面に入りましたが、基調は変わらず長期上昇局面に入ったばかりだと思っています。