今のUFCの方向性、そして日本という市場、本当に考えさせられることが多い今回の非情なる岡見リリース劇だ (C)MMAPLANET

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日本時間の28日に岡見勇信のUFCリリースという情報が、米国の複数のMMAサイトが報じ、ダナ・ホワイトのコメントも掲載されるようになった。

MMAPLANETには、岡見リリースという知らせは20日(日本時間)の午前中に入っていたが、岡見陣営は引き続き、ズッファとコンタクトを取りつづけており、事態の好転を望み、報道を控えていた。実際、岡見がリリースの報をズッファ〜マネージャー経由で知ったのも、米国時間の19日、日本で20日に入ってすぐのこと。いずれにせよ、3連勝のあとにジャカレ・ソウザとブラジルでの対戦に挑み、敗北。その直後のリリースは、余りにも厳しいという印象は誰もが持つだろう。

ズッファとしては、この一つの敗北ということではなく、過去6戦で3勝3敗という戦績を問題視したようだが……。もちろん、この中の1敗には世界戦が含まれており、それは表向きの理由に過ぎないだろう。今回の岡見のリリースについて、思い出されるのはジョン・フィッチのケースだ。フィッチは5連勝後、ドロー、敗北、勝利、敗北という流れでリリースに。岡見は連敗、3連勝、敗北という状況でのリリースとなった。

ショーアップで4万6000ドル、勝利ボーナスと合せて9万2000ドルの高給取り――がカットに影響しているのか定かではないが、フィッチとの共通点は堅実な試合振り。決して、手放しでファンの支持を得るファイトをするファイターではなかった。さらに岡見には英語でアピールできないという現状と、UFC JAPANが2年連続で開催された時期に、マカオ開催が実現するなど、日本というマーケットが岡見の追い風になっていないのも事実だ。そのような背景もあり、タイトルラインに戻るのが困難で、他の選手にチャンスを回したいというズッファの意向に結び付いたことは想像に難くない。

気になるのは今後の岡見の活動だが、現時点で本人とはコンタクトは取れなかったが、UFCとの交渉を行い、チーフセコンドも務める磯野元氏の意見を聞くことができた。氏によると、「全ては勇信次第ですが、再びUFCを目指して戦っていくのか、そうでないのかで選択肢は分かれてくる」とのこと。既にOFCからは、「ユーシン・オカミをOFCで見たいか」というツイートも発せられている。

再びUFCを目指すのであれば、OFCという舞台は長期契約とタイトルホルダーの転出に厳しいというネックを抱えている。同時に、ファイトマネーという部分では納得いく額が得られるかもしれない。とはいっても、ファイターとしてOFCミドル級は余りにも脆弱で、ならばBellatorやWSOFの方が岡見という日本を代表するファイターに相応しいという見方も成り立つ。

他方、UFCを再び目指すというのであれば、ファイトマネーの問題を除けば、いくらでも選択肢は広がる。人一倍、UFCで戦うことに拘りを持っていた岡見だが、UFCをリリースされたことは紛れもない事実で、事態の急変も望めない。そんななか、岡見さえ望めば、UFC以外の全てのプロモーションで試合をすることは可能である――という状況を受け入れ、這い上がる姿を見せて欲しい。