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○「NISA」をめぐって金融機関の競争が過熱

「NISA(ニーサ)」って知ってますか? 実は今、「NISA」をめぐって金融機関の競争が過熱しています。

NISAとは、2014年1月にスタートする少額投資非課税制度の愛称。

銀行や証券会社などの金融機関にNISA専用口座を作り、株や投資信託を買うと、1年当たり100万円までの投資元本から生まれる利益に税金がかからないという仕組みです。

NISA口座は1人につき1口座しか作れず、口座を作った金融機関は2018年になるまで最長で4年間変更できません。そのため、どの金融機関も自分のところで口座を開設してもらおうと必死になっているのです。

口座開設手続きが始まるのは10月1日ですが、どの金融機関もそれ以前に「口座開設申込み予約」を受け付け、「○月○日までにNISA口座を開設した人には○千円プレゼント!」といったキャンペーンを行うなど、NISA一色といった感じです。

マスコミでもNISAが取り上げられていて、新聞や雑誌で特集が組まれたり、関連の書籍やムックが書店に並んだりしています。

○実は、「NISA」を知らない人のほうが多数

こんなふうに世の中がNISAで盛り上がっているように見えますが、全体で見ると、NISAを知らない人のほうが多いのが実情です。

これまでに株や投資信託などに投資したことのある人には、金融機関からNISAの口座開設申込書が送られてくるので、それをきっかけにNISAを知り、興味を持って、口座を開設するという流れになりますが、これまで運用をしたことのない人には、そういうことがないので、NISAを知る機会がありません。NISAのテレビCMも流れていますが、興味がない人は目には留まらないでしょう。

過熱する口座獲得競争と無関心…NISAに対する温度差は非常に大きいものがあります。

○そもそも「NISA」はなんのために作られた?

そもそもNISAはなんのために作られたのでしょうか?

直接的な理由は、軽減税率の廃止です。株や投資信託を運用して得られた利益に対しては10%の軽減税率が適用されきましたが、それが2013年末で終わり、2014年からは本来の20%に戻るため、それに代わるものとしてNISAが設けられたというのが直接的な理由です。

もう1つは、「貯蓄から投資へ」の流れを促すためです。

昔のように、サラリーマンの給与が年齢とともに右肩上がりという時代ではなくなる一方、少子高齢化で年金や医療、介護などの財政が厳しくなり、それを支えるための税金や社会保険料の負担がどんどん重くなるという状況の中で、マイホームを買ったり、子どもの教育資金を準備したり、老後の生活資金を用意したりするためには、金利の低い預貯金だけでは足りず、資産を運用して多少なりとも殖やしていく必要があります。

多くの人が資産を運用するようになると、その資金が株式市場などに入ってくることによって日本の経済も活性化します。

日本経済が活発になれば、サラリーマンの給与は上がり、運用した資産も増えます。税収が上がることによって、年金、医療、介護などの財政も安定するという好循環が生まれます。

このように、これまで預貯金しかしてこなかった人のお金を、運用へ向かわせるために、NISAが作られたわけです。

○一歩踏み出せない理由は、「運用といっても何をしていいかわからない」

でも今のところ、金融機関はすでに取引のある顧客をNISAで囲い込むことに必死で、運用経験のない人を呼び込むところまで行っていないように見受けられます。

また、運用経験のない人は、そもそも運用で得られた利益に対して税金がかかることを知らないので、"非課税"というだけで運用を始めるとは思えません。

NISAをきっかけに投資家のすそ野を広げるという目的は、今のところ、すぐには達成できそうにありません。

NISAがあろうがなかろうが、多くの人にとって資産運用が必要なことは間違いありません。運用したことがない人の中にも、なんとなく必要性を感じている人は多いはずです。でも、一歩踏み出せないのは、

・運用といっても何をしていいかわからない

・難しそうで面倒くさい

・損をしたくない

・自分のお金が減るのが怖い

などが理由ではないでしょうか。

資産を運用するためには何をしたらいいのか、何を買ったらいいのか、投資した金融商品が値下がりした時はどうしたらいいのか、といった素朴で基本的なことを知りたくても、それを知る方法はなかなか見あたりません。

特に今は、NISAの仕組みや使い方に関する情報があふれているのに、そもそも資産運用ってなんなのか、どう考えるべきなのかという話が置き去りにされている感があります。

○特設サイトで学べる「投資信託を買う前に知っておくべきこと」

そこで、そうした「そもそも」について知ることのできるサイトを探してみました。

資産運用の必要性や、資産運用に欠かせない投資信託に関する情報が豊富なのが投資信託協会のサイトです。

ニッセイアセットマネジメントのサイトには、20代、30代の人向けの運用の考え方を解説したコンテンツがあります。

日興アセットマネジメントの「投資信託のメーカーで学ぶNISA」は、NISAの"制度より前に必要な"投資の考え方や心構えなど、これから投資を始める人に向けた情報がまとめられているサイトです。運用に関する「そもそも」の部分をやさしい言葉で解説しているほか、投資信託に関する20の質問を通して、投資信託を買う前に知っておくべきことや、投資信託の選び方がわかるようになっています。

NISAでは"年間100万円"がクローズアップされているので、100万円投資しなければいけないと勘違いしている人も多いようですが、投資信託なら毎月1万円ずつ積立で買っていくことができ、それでも非課税のメリットは活かせます。

ですから、これまで運用の経験がない人もNISAをきっかけにして、まずは少ない金額で運用を始めてみてはどうでしょう。その一歩を踏み出すために、ご紹介したサイトで運用に関する知識を身につけたり、疑問点を解決したりしてください。NISAの口座を開設するのは、それからでも遅くありません。

○執筆者プロフィール : 馬養 雅子(まがい まさこ)

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、一級ファイナンシャルプランニング技能士。金融商品や資産運用などに関する記事を新聞・雑誌等に多数執筆しているほか、マネーに関する講演や個人向けコンサルティングを行っている。「図解 初めての人の株入門」(西東社)、「キチンとわかる外国為替と外貨取引」(TAC出版)など著書多数。新著『明日が心配になったら読むお金の話』(中経出版)も発売された。また、リニューアルされたホームページのURLは以下の通りとなっている。

(馬養雅子)