『謝罪の王様』の阿部サダヲ、脚本の宮藤官九郎、水田伸生監督を直撃!

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『舞妓Haaaan!!!』(07)、『なくもんか』(09)に続き、主演・阿部サダヲ、脚本・宮藤官九郎、監督・水田伸生のタッグで放つ爆笑コメディ『謝罪の王様』(9月28日公開)。笑いと感動をミックスさせた作品群を放ってきた3人にインタビュー。笑いの相乗効果を生み出してきた映画作りの舞台裏について話を聞いた。

【写真を見る】ステレオタイプの帰国子女・倉持典子役で井上真央が新境地を開拓/[c]2013「謝罪の王様」製作委員会

阿部が扮する主人公・黒島譲は、「謝罪師」を生業とする男で、痴話喧嘩から、国家存亡の危機までを、丸く収めようと駆けずり回る。宮藤が書いたコメディに、水田監督は現場でさらに笑いの要素を上乗せしていく。阿部は「舞台挨拶シーンで某女優さんを彷彿とさせるような人が出てきますが、あれは台本にはなかったです。水田監督が盛っているなあと(笑)」と感心する。水田監督が笑うと、宮藤も「やっぱりコメディはそうやって、波状攻撃でいくべきだと僕は思います」と水田演出を支持する。

「僕はやっぱり悪趣味な、何だかわからないけど笑っちゃうみたいな笑いが好きです」と言う宮藤。では「わき毛ボーボー、自由の女神」という強烈なフレーズはどう生まれたのか?「自分が、台本とかを部屋で書いていて、イライラしている時、娘が入ってきて、意味の分からないセリフを連呼されたら嫌だなと思ったんです。でも、それって何だろう?と思いながら、舞台がニューヨークと決まっていたので、だったら自由の女神だなと。その後、わき毛ボーボーを付けました」。このフレーズが、最後に物語と絶妙に絡んでいくという伏線も素晴らしい!

その後、話題は人気ドラマの話に脱線。阿部が「宮藤さんと僕って、すごくたくさん一緒にやっているイメージがついているんですが、近頃ないんです。僕は見ていることの方が多い」と言い出すと、宮藤も「俺もだよ」とうなずく。さらに阿部が「最近、すごく聞かれて困ったことは、いつ『あまちゃん』に出るの?という話。だんだん自分も出られるんじゃないか?という気持ちが出てきた矢先に、撮影が終わったと聞きました」とのこと。宮藤は「俺も、以前に『マルモ(のおきて)』見てますとよく言われて。俺じゃないなあと思いながらも『はい』って」と苦笑いすると、水田監督も「『マルモ』は僕も言われました。芦田愛菜ちゃんと阿部さんでしたから。僕も『もういいや』って思いました」と語り、全員で大爆笑。

映画では今回で、3度目の顔合わせとなった3人。水田監督は2人との仕事に対する特別な思いを口にした。「『舞妓Haaaan!!!』が、僕にとっては映画作りのスタートラインでした。常に宮藤さんのシナリオは、ものすごくハードルが高いんですが、やるべきものなんです。しかも阿部さんが、演じてしかるべきだと思えるような題材を、今後も思いつける限りはやりたいと思っています。撮るのはしんどいですよ。俳優が声を出して笑っちゃうくらい面白いシナリオを、もっと面白くするというのはすごくプレッシャーですから」。

宮藤は「無茶な本を書いてすみません。自分で演出するのなら、こうは書かないだろうなと。マンタン王国(劇中に登場する架空の王国)の下りなどは、大変だろうなと思いましたし、やっていただけるのならすみません!という気持ちを忘れないようにしなくちゃと」と恐縮する。阿部は、マンタン王国のシーンについて「現場を見た時、すごく外国っぽくてビックリしました。外国人の撮影スタッフも3人くらいいて、空撮のヘリを飛ばしていて。格好良かったです!だから僕も、大事に演じなきゃいけないと思いました」。

阿部たち3人が織りなす笑いのクオリティは、すでに前2作でお墨付きとなったが、『謝罪の王様』は、あっと驚くパフォーマンスまで組み込まれた型破りなコメディとなった。【取材・文/山崎伸子】