ローカルに強いゆうちょ銀行が投資家の裾野を拡大!?
さて、ここまではメガバンク3行のNISAに対する取り組みについて紹介してきたが、日本にはさらに巨大な規模を誇る銀行が存在している。そう、郵政民営化を機に誕生したゆうちょ銀行である。


これまで一度たりともリスク商品に手を出したことがないという人は、まだ資金面にゆとりのない若年層か、きわめて慎重なスタンスの層が大半だろう。ゆうちょ銀行は国営時代から特に後者から強く支持されてきただけに、NISAにおいてもそういった層の開拓が大いに期待されるところだ。ゆうちょ銀行営業第二部資産運用商品企画室担当部長の盛田孝司さんはこう答える。

「想定しているのは、過去に投資経験のある既存のお客さまと、NISAを機に初めて投信を買うというお客さまです。そういったお客さま向けの商品を8月に追加し、取扱本数を49本から58本に拡充したところです。新商品には、NISAを機に投資を始める方も安心して長期保有できるリスクコントロール型ファンドを追加しました。また、すでに投信をお持ちの方もポートフォリオをさらに充実させるため、単一国ファンドなどの多様なラインアップをとりそろえています。NISAが始まる2013年1月まで、お客さまのニーズにお応えできるよう、ラインアップの充実に努めてまいります」

下にあるように、メガバンク3行と比べれば、ゆうちょ銀行が展開しているNISA口座キャンペーンの内容はシンプルだ。もっとも、だからといって口座獲得に消極的なスタンスというわけではないようだ。盛田さんは次のように指摘する。

「NISAは所得水準などに制限が設けられていないので、より幅広い層のお客さまに提案しやすいともいえます」

全国津々浦々のネットワークと抜群の安心感を武器に、ゆうちょ銀行が投資家層の裾野を大きく広げることも期待される。その際にローコストのファンドがゆうちょ銀行のラインアップの中心となっていれば、NISAが日本の投信の常識を大きく変えうる。

ローコスト競争が進めば、おのずと日本人の投信保有期間も長期化することだろう。



盛田孝司(KOJI MORITA)
ゆうちょ銀行営業第二部 資産運用商品企画室 担当部長



この記事は「WEBネットマネー2013年10月号」に掲載されたものです。