口座獲得のキャンペーンも各行で白熱中!
「最も頻繁に利用する金融機関はどこですか?」こう質問されたら、まず圧倒的大多数が「銀行」と答えるだろう。社会で働いていれば、いずれかの銀行に口座を開いているはずだ。そして、今や銀行は各種支払いや預金の出し入れのみならず、投資信託をはじめとする金融商品の販売チャンネルとしても大きなシェアを誇るようになっている。当然ながら、銀行でもNISA(少額投資非課税制度)を利用できるし、すでに各行はその口座獲得に力を入れ始めている。そこで、今回はメガバンクとゆうちょ銀行のNISAに対する取り組みを追いつつ、その動きが起こしうる将来の変化に注目したい。


一方、みずほ銀行はNISA口座獲得のためのキャンペーンにも力を入れている。その内容は右ページにある通りで、口座開設に不可欠な住民票の取得手続きの代行やATM時間外手数料の無料化( 期間限定)などといった目を引く特典を用意している。

そのうえで、掲げる目標もかなり大きい数字となっている。初年度にみずほフィナンシャルグループ全体では60万口座の獲得を目指しているという。

「NISA については、すでに資産運用をされている方にとっても、まだ資産運用をされたことのない方にとっても、共通に重要なテーマであると考えています。資産運用の考え方・必要性をご案内していく中で、口座数は増加しています」(山中さん)

残るメガバンクの一角である三井住友銀行の目標は、SMBC日興証券と合わせて初年度に50万口座獲得と定めており、くしくも三菱UFJフィナンシャル・グループと同じとなっている。やはりNISA向けのファンドも新たに開発中で、その概要について、三井住友銀行コンサルティング事業部事業企画グループ上席部長代理の伊藤淳さんはこう説明する。

「ノーロード型商品や、ミドルリスク・リターンの商品などを計画しています。また、NISAには中長期的なスパンの投資が適しているので、自動的に資産配分が見直されるバランス型ファンドも検討中です。いくつかの商品をSMBC日興証券と共同で取り扱う予定です」

口座獲得キャンペーンの特典も充実させており、7月29日から住民票取得代行サービスもプラスした。「NISAが日本の投信の手数料事情を変える?」で紹介した通り、三菱東京UFJ銀行もキャンペーンを実施しているが、ほかのメガバンクとはスタンスが微妙に異なるようだ。前出の村井さんはこう語る。

「NISA口座を通じて実際に投資を始めていただくことが重要なので、それを後押しする特典を用意しました。そもそも、これまで銀行預金ぐらいしか利用したことがないお客さまに投資を始めていただくためには、単なるキャンペーンでは不十分だと私どもは考えています。NISAという制度をきちんと理解していただけるまで丁寧に説明することこそ、まず私どもが果たすべき役割だと思っています」

もちろん、制度について周知してもらうためのセミナー開催などについては、他の2行も非常に力を入れている。そして、いずれの会場にも多数の人が押し寄せ、NISAに対する関心も日増しに高まってきているという。




若年層を強く意識したサービスも…

再び、三井住友銀行の話に戻ろう。やはり、同行もNISAにおいてはグループ内での連携を重視している。「当行とSMBC日興証券のオンラインサービスを連携する『バンク&トレード』というサービスも導入しており、ワンストップでさまざまなサービスをご利用できるように心がけています」(伊藤さん)

日々千円から積み立てができ1万円で10本に分散投資が可能なネット専用投信や、所定の基準価額に達したら連絡が届く「投信eメール」など、かねてから若年層を意識したユニークなサービスを強化しているのも同行の特徴。NISAでも、そういった層の取り込みを意識しているようだ。

伊藤淳(ATSUSHI ITO)
三井住友銀行コンサルティング事業部 事業企画グループ上席部長代理



この記事は「WEBネットマネー2013年10月号」に掲載されたものです。