【うちの本棚】183回 ジャガーの眼/たつみ勝丸(原作・高垣 眸)

「うちの本棚」、実写作品のコミカライズを紹介するシリーズの第5回目は、たつみ勝丸による『ジャガーの眼』。

昭和30年代にヒットしたテレビドラマのコミカライズ作品である本作は、単行本としては約50年ぶりの復刻で完全収録版が刊行された。読者を飽きさせないスピード感のある展開は、連載当時を知らない読者も一読の価値がある。

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ジャガーの眼-上ジャガーの眼-下


本作は、昭和30年代に『月光仮面』や『快傑ハリマオ』とともに人気の高かったテレビドラマ『ジャガーの眼』のコミカライズ作品である。原作は高垣 眸の小説。不勉強でドラマ版、小説版ともに未見で、コミカライズ版がどこまで原作やドラマに忠実なのかはわからない。ちなみに、連載時のタイトルは『ジャガーの目』。

コミカライズを担当した、たつみ勝丸は天馬正人の変名で、同時期に「少年クラブ」で天馬名義の作品を連載していたことからたつみ名義での執筆となったということである。

ジンギスカンの秘宝を巡るストーリーは、冒頭からアクションシーンで、謎と冒険の、展開の早い進行が読者を飽きさせない。これは数々の人気少年小説を生み出した高垣 眸の魅力でもあるのだろう。

作画面では、もともと堀江 卓に雰囲気の似ている天馬だが、後半になると見分けがつかないほど筆致が酷似していく。当初シンガポールや香港を舞台にしていたストーリーが日本を舞台に移すと、忍者装束のキャラクターも登場し、ますます堀江作品的な印象が強まってしまう。また描線自体もシャープになり、漫画家としての円熟期だったのではないかと思われる。

単行本は、当初2巻までが刊行されたというが未完のままで、マンガショップからの復刻が完全収録となる。連載当時に読んでいた読者にとっては、およそ50年ぶりに結末が読めるということになったわけだ。
ドラマのヒットによって知名度の高い作品でも、埋もれてしまっている作品があるという典型だったかもしれない。

ところで、主人公モリー(黒田杜夫)が初登場シーンで口にする「通りすがりの風来坊です」というセリフ、これって『ウルトラセブン』でモロボシダンが初登場で自己紹介するセリフではないか。まさか、これがルーツ?(笑)

初出:講談社「少年クラブ」1959年8月号〜1960年7月号

書 名/ジャガーの眼(全2巻)
著者名/たつみ勝丸
出版元/パンローリング・マンガショップ
判 型/B6判
定 価/各1800円
シリーズ名/マンガショップシリーズ
初版発行日/2008年9月2日(2巻とも)
収録作品/ジャガーの眼

(文:猫目ユウ / http://suzukaze-ya.jimdo.com/