不動産投資というと高額な資金が必要と思われるかもしれないが、実は物件を選べば融資を組むことができ、少額からでも始めることができる。不動産投資のハードルは低くなっているのだ。実際に年収500万円以下での成功者にも取材。成功者たちに、今すぐ始めて失敗しない秘訣を教えてもらった。


法人契約済みのオーナーチェンジ物件にこだわる

「実は大家さん業の勉強をする前に投資物件を買ってしまったんです」と話し始めた会社員の桑田洋一さんが案内してくれたのは、JR大宮駅から徒歩10分ほどの落ち着いた茶系の一戸建て住宅。2000年の新築時は3250万円で売り出された物件だ。

大家業に関する豊富な知識があったわけではないが、法人契約済みのオーナーチェンジ物件というところに引かれた。法人なら家賃滞納の心配がなく、住人の身元もはっきりしている。しかも、「すでに店たな子こさんが住んでいるので修繕費は不要。売るときも店子さんが入っていれば売りやすく、修繕費負担もありませんよね」。

競売で買って修繕費をかけてきれいにして店子を募集するという方法もあるが、桑田さんはオーナーチェンジ物件のほうが有利と考えたのだ。

物件価格は約2500万円。桑田さんは勤務先も年収も?上〞クラスなのだが、マイホーム取得目的ではないので銀行ローン審査が通らなかった。この点、サラリーマン大家さんを目指す人は注意すべきだ。

「そこで、2000万円を自己資金、残りを親兄弟から借りました」。家賃は15万円。そのうち13万円を借金返済に充てる計画。これなら、10年もかからず完済できる。

ただし、利回り計算すると「5%程度。購入してからセミナー等で話を聞くと、利回り面ではいい物件ではなさそうなんです」とか。

そんなふうに謙遜するが、大宮駅周辺はマンションが多く、一戸建ての賃貸住宅は希少で売り手市場。東京へ通うのにも便利なので資産価値が高く、最終的には自分で住むという選択肢もある。

「この物件で勉強したので、次の物件も土地勘のある、さいたま市内で探しています。店子さんが入居済みの一戸建てがいいですね」

次の物件を狙ううえで、ローン審査に通らなかったことが幸いした。「この家は担保に入っていないので、次の物件でローンを組むときの担保として使えるんです」

桑田さんは、いよいよ本格的に大家さん業に踏み出す。




桑田洋一

仮名/38歳・会社員1975年、東京都出身。将来への不安から大家業に興味を持つ。知識を得ずに最初の物件を購入。今も日々大家業を勉強中。



現金即決で買える物件をネットで日々丹念に検索

千葉県郊外の新京成電鉄の駅から徒歩約20分の静かな住宅地の一角に、会社員の河合秀樹さんが今年6月に購入した一戸建て住宅がある。

「不動産会社のウェブサイトに出ていた物件です。見つけた翌日に電話をしたんですが、先約があるという返事でした。これまでもサイトで物件を見つけるとすぐに電話をしていたんですが、割安感のある物件は即座に売れてしまい、買えませんでした」

この物件も半ば諦めかけていたとき、不動産会社から電話がかかってきた。先約がキャンセルになりました、と。

「すぐに見に行って購入を決めました。1991年築という周辺では比較的新しい物件のうえ、前の所有者は購入してすぐに転勤したので、ほとんど住んでいなかったという点が決め手になりました」

確かにフローリングの床には生活傷がほとんどなく、クリーニングとガスコンロの手入れ、壁紙の張り替え程度で貸し出すことができそう。物件価格は480万円と現金で買える範囲。しかも再測量と白い壁面に絡むツタの処理を断ると425万円まで安くなった。ちなみに、この家は新築で売り出された当時は5000万円だったという。

「土地の値段はもう下がらないと思ったので、安心して買えました」

でも、なぜ大家さんになろうと思ったのか。「家族と過ごせる時間が増えるから。妻もパートで働きに出ているので、子供と一緒にいる時間がなかなかつくれませんでした。でも大家業をすることで、収入面でも多少余裕ができ、パートの時間も短縮になります。それに将来、子供に資産を残すこともできますから」

家賃は6万6000〜7万7000円の範囲で設定。表面利回りは20%程度、実質利回りは10%程度と試算している。とはいえ入居者が決まるまで気が抜けないが、反面「近くにある自宅が借家なので、万が一、入居者が決まらないときは自分たちで住めばいいと思っています」と余裕をのぞかせる。



河合秀樹

仮名/32歳・団体職員1981年、埼玉県出身。学生時代に一人住まいを経験し、大家業に興味を抱く。現在は奥さんも巻き込み、大家業を実践中。



不動産投資で活用したい融資先

特徴を押さえて上手に活用しよう

不動産投資は金額が大きいだけあって、自己資金だけで購入できる人は少ないだろう。やはり、融資を受けることが必要となる。ただし、一般的には、不動産投資の場合は金利が低めの「住宅ローン」ではなく、「アパートローン(不動産投資ローン)」を活用することになる。アパートローンは都市銀行、地方銀行、信託銀行、信用金庫、ノンバンクなどで取り扱っている。

また、いくつかの条件はあるが、自分が投資用物件の一部に住む「住宅併用」だと、金利が低い住宅ローンを融資してもらえる可能性がある。裏ワザとして知っておきたい。

スルガ銀行
不動産融資にも積極的で、投資家の間でも人気の銀行。ただし、最近は融資の条件が厳しくなっている面もある。http://www.surugabank.co.jp/

オリックス銀行
不動産投資ローンで年2.3%のお得な「3年固定特約型」がある。自己資金10%からでよく、初心者にオススメ。http://www.orixbank.co.jp/

東京スター銀行
融資額と預金残高の差額のみに金利が発生する「預金連動型住宅ローン(スターワン住宅ローン)」が特徴。http://www.tokyostarbank.co.jp/

日本政策金融公庫
「普通貸付」「新規開業資金」「新創業融資制度」「女性、若者/シニア起業家支援資金」などが利用できる。http://www.jfc.go.jp/

三井住友トラスト・ローン&ファイナンス
不動産投資家におなじみのノンバンク。再建築不可や容積率オーバーなどでも融資してもらえるケースがある。http://www.smtlf.jp/

セゾンファンデックス
再建築不可や借地権などの物件にも相談に乗ってくれる。金利は高めだが固定で、投資上級者には人気のノンバンク。http://www.fundex.co.jp/

この記事は「WEBネットマネー2013年10月号」に掲載されたものです。