先日、演歌歌手の小林幸子さんが、動画サイト「ニコニコ動画」で"歌ってみた"動画を投稿したことで、話題を集めました。"歌ってみた"とは、一般ユーザーが自ら歌った楽曲を投稿する動画。歌われる楽曲の多くは、ニコニコ動画のユーザー自らが作曲した作品のカバーです。小林幸子さんは、ももいろクローバーなどの楽曲を作曲するヒャダインこと前山田健一氏が同サイト内で公開した楽曲「ぼくとわたしとニコニコ動画」を歌いました。

動画サイトには、他にもニコニコ動画と比べられることが多いYouTubeがありますが、両者の違いは何なのでしょうか。メディアアーティストで研究者の江渡浩一郎氏は、書籍『進化するアカデミア 「ユーザー参加型研究」が連れてくる未来』の中で、その違いを語っています。

江渡氏によれば、世界中の情報を網羅するGoogle社のサービスであるYouTubeは、「機械的な情報集約のメカニズムによって得られる集合知」。ユーザーのコメントを動画上に表示できるニコニコ動画は、「動画をもとにコミュニケーションをする」ことを志向しているとのこと。ユーザーがオリジナルコンテンツを共有し、コミュニケーションする文化を作ったのは、初音ミクであると指摘しています。

初音ミクとは、メロディと歌詞を入力すると、女性ボーカルの歌声を合成する同名のソフトウェアおよびバーチャルアイドル。緑色の長髪と片手に長ネギを持った人気キャラクターで、ネットカルチャーを中心に絶大な人気を誇っています。ニコニコ動画によれば、初音ミクが歌う楽曲は同サイト上に14万件もあるそうです。

「ニコニコ動画上には、『歌ってみた』『演奏してみた』などといった『やってみた系』と呼ばれる、オリジナルコンテンツを共有し、評価し合う文化があった。そのなかで、音楽をつくって、初音ミクに歌わせて、それを評価しているコミュニティが生まれたわけだ。そして、そこで自分も評価されたいから、初音ミクを使って、音楽をつくって、ニコニコ動画で共有するユーザーが増えていった」

8月30日には、横浜アリーナで、初音ミクのコンサートと展示を行ったイベント「初音ミク マジカルミライ2013」が開催されるなど、ネットを超えたリアルの場でも活躍する初音ミク。9月10日には、PlayStation Vita専用ソフト『Miku Miku Hockey』が配信開始されました。PlayStation Plusのサービス加入者限定で先行配信されている同作は、AR(拡張現実)空間内で初音ミクとエアホッケーが遊べるというもの。今年の「ニコニコ超会議2」のデモ出展で好評だった「Miku Miku Hokey」に改良を加え、新たな要素を加えた新バージョンで、初音ミクと練習(対戦)するモードと、ミクとダヨーの対戦を観戦するモードの2つのゲームモードが用意されています。

さらに、PS Plusでの配信日から、『Miku Miku Hockey』をプレイしたユーザーを対象としたフォーラムをPSコミュニティサイト「プレコミュ」内に開設。フォーラムに書き込まれたユーザーの提案や意見を参考にしながら、今後『Miku Miku Hockey』はさらなる進化を遂げていくとのこと。これもまた初音ミクを軸とした"ユーザー参加型コンテンツ/コミュニティ"。10月に新型機種の発売が発表されたPS Vitaを、より楽しめる一作となりそうです。

【関連リンク】
・プレイステーション プラス
http://www.jp.playstation.com/psn/plus/cp/promo/

・「Miku Miku Hokey」
http://www.jp.playstation.com/software/title/jp9002pcsc00052_00mikumikuhockey00.html



『【特典ポストカード付】 進化するアカデミア 「ユーザー参加型研究」が連れてくる未来』
 著者:江渡浩一郎,ニコニコ学会β実行委員会
 出版社:イースト・プレス
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