舞台裏ではNISA専用のファンド開発が進む
「最も頻繁に利用する金融機関はどこですか?」こう質問されたら、まず圧倒的大多数が「銀行」と答えるだろう。社会で働いていれば、いずれかの銀行に口座を開いているはずだ。そして、今や銀行は各種支払いや預金の出し入れのみならず、投資信託をはじめとする金融商品の販売チャンネルとしても大きなシェアを誇るようになっている。当然ながら、銀行でもNISA(少額投資非課税制度)を利用できるし、すでに各行はその口座獲得に力を入れ始めている。そこで、今回はメガバンクとゆうちょ銀行のNISAに対する取り組みを追いつつ、その動きが起こしうる将来の変化に注目したい。


「NISA口座でもっぱら取引されると思われるのは株式と投信で、5年間ずっと保有し続けることを前提とすれば、後者のほうがこの制度になじみやすいでしょう。ただ、以前より当行は金融商品仲介業を行なっており、仕組み債なども取り扱っていましたし、銀行窓口で証券口座も開設できます。当行のホームページなどからグループ企業のカブドットコム証券の口座を開設することも可能ですし、三菱UFJフィナンシャル・グループが一丸となった、総合的な金融サービスを提供できる環境を整えています」

こう語るのは、三菱東京UFJ銀行リテール業務部副部長の村井秀次さんだ。投信についても、グループ共通のNISA推奨ファンドを取り扱う予定だという。

「NISAを機に初めて投資を始めるというお客さまには、わかりやすくて選びやすい商品であることが重要なポイント。そして、いきなり損失を抱えると出鼻をくじかれてしまうので、投資になじんでいただくためにも、さほどリスクは高くなくそれなりのリターンを期待できるという商品がふさわしいでしょう」(村井さん)

残念ながら今回の取材時には、まだ専用ファンドの詳細については明らかにされなかった。だが、グループ会社の三菱UFJ投信は割安な信託報酬で人気のインデックスファンド「eMAXIS(イーマクシス)」シリーズを有しており、取り扱いラインアップの一部では取引コストの低さをアピールポイントとする可能性も考えられそうだ。なお、三菱UFJフィナンシャル・グループではNISA元年となる来年に、50万口座の獲得を目標としている。

一方、これに対して、すでにノーロードファンドの大量投入を表明しているのがみずほ銀行だ。同行コンサルティング営業開発部運用商品開発室室長の山中政徳さんは説明する。

「中長期的な資産形成に資する商品として、インデックスファンドシリーズの投入を行います。全体で20本以上のファンドをシリーズとして揃えました。また、運用は世界最大の資産運用会社ブラックロックが行ない、ノーロードで信託報酬も抑えめです。

みずほ銀行、みずほ証券がネット専用で8月から9月にかけて販売開始します。若年層の方も含めた多くのお客さまの中長期的な資産形成に役立つ商品になればと思っています」




村井秀次(SHUJI MURAI)
三菱東京UFJ銀行 リテール業務部副部長



山中政徳(MASANORI YAMANAKA)
みずほ銀行コンサルティング営業開発部 運用商品開発室室長



この記事は「WEBネットマネー2013年10月号」に掲載されたものです。