息子の嵐役を演じた西本は「『R100』を一言でいうと、訳がわかんないけど面白いということです!」と元気に返答。「でも、R15+指定だから、本当は観たらダメなんじゃないの?」と優しくツッコむ監督は、「うふふふふ……」とただただ笑う西本に「笑うとけ、笑うとけ」と語りかける。さらに、西本が「監督が現場では優しくて、『R100』をよくしてくれた先生みたいなもんです!」とハキハキ答えると、会場は爆笑。監督から「いまのが今日イチウケた」と誉められ、誇らしげな表情を浮かべていた。

「一言でいうと、悪ノリ?した悪夢っていう感じですかね」と答えたのは、女王様役の佐藤。「Sっぽい役は多いんですけど、一生、経験しないことをやらせていただきました」と語った。

片山の妻・節子を演じたのはYOU。「25年前、一緒にさせていただいたお仕事から、いままでのほかのお仕事を全て集結したつもりで演じてます」と熱くコメントしたが、「観ていただけたらわかると思うんですけど……どこかで熱心に演じております。探してください!」と笑いながらアピールする。松本作品はいつも映画館で鑑賞しているそうで、「今回もちゃんとお金を払って観に行きたいので、さらさらっと観ただけ。でも、なんとなく観た感じではすごく好きでした」とあやふやに語っていた。

片山の義父を演じた前田は、「物語がどんどん進んでいくうちに緊張したりだとかはあるんだけど、見終わったあとに幸せ感があった。世界平和がイメージされた作品でした」と笑顔で感想を語る。初めて映画に出演してから今作が100本目の出演作となるそうで、「ようやく100本。『R100』は、前田吟記念の100本目の映画だと思って観ていただけたら」と語ると、温かい拍手が贈られた。

「まっちゃーん!」という声援が飛ぶ中、いよいよ挨拶することになった松本監督。「吟さんと一語一句かぶってしまった」と笑いを誘う。「仙台、北海道、広島、トロントでも上映してまして……まぁ、全部ウケてますねん。ウケてるんです。これが間違いない。だから、今日もウケますね」と自信たっぷり。

映画については常にコメディを狙っている部分はないそうだが、「いままでなかった世界観というか、松本ブランドができてきたのかなと思ってます」と手応えを感じている様子だ。「今回の台本は相当ムチャクチャなんですけど、シリアスに演じてもらうことで、例えば圧力釜の圧力がどんどん高まってきて、笑いというものが勝手に吹き出しているような感じになりました。みなさん、勝手なところで吹き出していただけたら。変な先入観なしで楽しんでもらえるといいですね」と語りかけた。

監督として嬉しい瞬間を訊ねられると、「トロント(国際映画祭)で、みなさんが喜んでくれたことが監督冥利に尽きるというか、ものをつくることは一生懸命やらないといけないんだなと思った」としみじみ。今回、16ミリフィルムで撮影したことについては、「僕の好きな世界観は昭和のイメージで、そういうのもあるし、映像に少し緊張感を持たせるというか。ホラーまではいかないんですけど、画面から怖さが出るといいなと思ったんです。で、それがウケてます」と笑わせた。

トロントへは大森、渡部と向かったが、松本監督が取材を受けている間、2人はナイアガラの滝へ出かけていたとのこと。「本当にすみません。大森は野球も観たようですよ」と渡部に言われると、「ほんまひどいですよ」と嘆いていた。

さらに来年、ニューヨーク、サンフランシスコを始めとした全米での公開が発表されると、観客からは大きな拍手。「監督としては、新人に毛が生えたようなもん。その割にはよく頑張ってると思いますよ」とユーモア溢れる語り口で、続けて「いま、『父はM。』っていうポスターが都内にたくさん貼ってるんですけど、家族で観るとなんとも言えない空気になるんですよね」と自虐的に語り、さらなる笑いを起こしていた。

舞台挨拶終了後には、渡辺からのビデオメッセージも。「セクシーなボンテージ姿で出てますよ。最後まで楽しんでくださいね〜!」と呼びかけていた。

映画「R100」は10月5日(土)全国ロードショー。