取得費用をなるべく抑え、ローンではなく現金で購入
不動産投資というと高額な資金が必要と思われるかもしれないが、実は物件を選べば融資を組むことができ、少額からでも始めることができる。不動産投資のハードルは低くなっているのだ。実際に年収500万円以下での成功者にも取材。成功者たちに、今すぐ始めて失敗しない秘訣を教えてもらった。


しっかり交渉することが成功大家になる秘訣

「子供を大学に通わせるだけのお金が夫婦の稼ぎだけでは全然貯まらないことや、将来の年金への不安から、少しでも収入を増やしたいと大家業を始めました」と佐藤さん。

不動産投資を始めて8年目となる現在までに、自宅のある埼玉県と隣の群馬県に合わせて14戸の一戸建てやマンション(区分所有)を取得。月々の家賃収入は約60万円になるという。「教育費や老後資金の悩みがひとまず解消され、ホッとしています」と笑う。

リスクを極力抑えるため、なるべくローンは組まずに現金で物件を手に入れるのが、佐藤さんの勝利の方程式だ。

「ローンを抱えているのに空室が出てしまうと、家賃収入は得られず、ローンの返済が持ち出しになってしまいますから」と慎重である。

たとえば最初に買った高崎市の区分所有マンションは、取得費用とリフォーム費用を合わせて約300万円かかったが、すべて貯金で支払った。「加入していた生命保険を、保障内容がほぼ同じでかけ金の安い県民共済に変更したり、乗っていたクルマを小型自動車から軽自動車に替えたりして、とにかく元手の現金を増やしました。現在でも、家賃収入には一切、手をつけずに貯金に回し、次の物件を取得する費用に充てています」

常に一定のキャッシュを用意しておけば、即断即決を要する掘り出し物の物件を見つけても、すぐに買えるというメリットもあるという。

もちろんキャッシュで買うには、それなりに価格の安い物件を狙うことが不可欠だ。

今回案内してもらったのは、熊谷市にある築35年の木造2階建て。最初は380万円で売り出されていたが、佐藤さんはさらに値切って280万円で取得した。「たまたまネットで見つけた物件なんですが、4〜5カ月も放置されたままなので、売り主もしびれを切らしているのではないかと……。そこで?現金で全額支払いますから〞と持ちかけたところ、あっさりと交渉成立。浮いた100万円はリフォーム費用に充てることができました」と満足そうだ。

取得費用を抑える一方で、「家賃はできるだけ高く、空室はなるべく減らすように工夫をすることが大事」と佐藤さん。たとえばこの熊谷の物件は、駐車スペースが2台確保できるにもかかわらず、その出入り口にお隣との境界にブロック塀があり、軽自動車1台分がやっとの狭さだった。このままでは、駐車スペースはあっても軽自動車しか止められない。

「実は、お隣も軽自動車しか止められなくて困っていたので、『費用はこちらで持ちますから、ブロック塀を取り壊しませんか』と話を持ちかけたんです。塀を取り払うことで普通車も止められ、物件のニーズが高まりました。取得費用を抑え、物件の価値を高めるためには、きちんと交渉することが大事ですね」

今後は物件を30戸まで増やし、「お金の不安をもっと減らしたい」と佐藤さんは語る。




佐藤祐二

仮名/46歳・会社員1968年、埼玉県出身。サービス業に勤務。老後に対する備えから不動産投資を始める。倹約して毎年200万円ずつ預金し、それを不動産投資の元手に。



地方物件利回りUpの秘訣

地域や入居者の特性に合ったリフォーム内容を考える

大家さん向けに、中古物件のリフォームを中心とするサポートやアドバイスを行なっています。佐藤祐二さんとも、長いお付き合いをさせていただいています。

賃貸物件のリフォームをするうえで大切なのは、大家さんが自分の好みだけで間取りやデザインを決めるのではなく、入居者の立場になって考えることです。地域によって、物件のニーズは異なるものですし、入居者の一般的な家族構成や好みも変わります。そうした、地域ごと、入居者ごとの特性に合わせてリフォームを考えることが大事なのです。

入退去の際に、なるべく改修の費用がかからないようなリフォームにすることも重要なポイントです。業者によっては、過剰ともいえるリフォームを提案するところもありますが、必要最小限にとどめるのが望ましいといえるでしょう。

これは、大家さんが投資コストを抑えるために重要であることは言うまでもありませんが、同時に入居者が退去するときに、余分なお金の負担をかけないようにするための気配りでもあります。その分、気軽に入居してもらえるようになるので、空室対策としても有効だといえます。

対応のいいリフォーム業者を探すことも大切。建物のトラブルは、住んでみてから気づくことも多いものです。入居者からの修繕依頼やクレームに、迅速に対応してくれるような業者を選びたいものですね。

下田和彦
アシスト・プロ 住宅アドバイザー

主に関東エリアの中古物件のリフォームを中心に、サポートやアドバイスを行なう。
アシスト・プロ http://www.as-pro.jp




この記事は「WEBネットマネー2013年10月号」に掲載されたものです。