競売物件のマンション(区分)を落札して念願の大家さんに
不動産投資というと高額な資金が必要と思われるかもしれないが、実は物件を選べば融資を組むことができ、少額からでも始めることができる。不動産投資のハードルは低くなっているのだ。実際に年収500万円以下での成功者にも取材。成功者たちに、今すぐ始めて失敗しない秘訣を教えてもらった。


国道沿いの物件だったが実地調査で?買い〞の判断

大手企業の正社員といえども雇用が不安定な時代。大手電機メーカーに勤める酒井理さんが、?万が一〞に備えて何かやらなければと考えていたときに出会った本が、ロバート・キヨサキ著『金持ち父さん 貧乏父さん』(筑摩書房)だった。

「この本を読まなかったら多くのサラリーマンのようにマイホームを買って、住宅ローンの返済をしていたと思います」

本を読んで不動産投資に興味を持ったものの、最初はどうしていいのかわからない。そこでまず「アパートの一棟買いを考えて、大手の不動産投資会社を回ったのですが、営業員が勧める物件の話を聞くと、儲からないことが明らかでした」。酒井さんは理系だから数字には強い。さっと利回り計算すると、営業員の話はあまりにも楽観的だった。

当時の作戦は、物件価格3000万〜4000万円のアパート一棟を、頭金500万円を入れて住宅ローンを組んで買うというもの。「その場合、市場価格の8掛けくらいでないと利益が出ないので、買えませんでした」

そのうち不動産ミニバブルが起こり、物件価格が値上がりしてしまったので作戦変更。現金で買えるマンションの区分所有に狙いを定めた。

「藤山勇司さんのセミナーも受講しました。当初は競売物件は裁判所の手続きが大変そうだし、居住者との交渉も難しそうに思えてハードルが高かった。それでも3年くらい前から500万円クラスの物件を対象に入札をコツコツと続けていました」

2012年9月に落札した千葉県松戸市の3LDKは、「10数件目で落札したものです。不動産業者の見立ては500万〜600万円でしたが、利益を確保するために343万円で指したところ通ってしまったんです」。

なぜライバルたちは敬遠したのか。酒井さんには想像がつく。「物件を見ていない人は、国道沿いのマンションというだけで騒音があると判断したのだと思います。でも実は、競売にかけられた部屋は道路とは反対側で意外に静かだったんです。また、謄本を調べたところ債権者は銀行のみで、居住者も普通の会社員という属性のいい物件でした」

もっとも、これらの調査を酒井さん自身が行なったわけではない。日中は会社員としての仕事があるため、競売物件に強い不動産業者に依頼し、入居者募集や物件管理も、不動産業者や管理会社に頼んだ。「そのほうが無理なく大家さん業ができると思うんです」

競売物件を落札してわかったことはハードルは高くないということ。裁判所の職員は親切だったし、居住者との交渉などの面倒なことは不動産業者に任せればいい。

この物件は投資(購入)金額343万円、家賃7万円なので表面利回りは約24%になるが、管理会社への委託や修繕費、管理費負担などで、実質利回りは12 %程度になると計算している。「この物件は練習台。いずれ近い将来に、アパート一棟を買うつもりです」




酒井理

仮名/44歳・会社員1969年、埼玉県出身。大手電機メーカー勤務。6年前から不動産投資に興味を持ち、3年前より競売物件の入札を始める。



知っておきたい競売ミニ知識

市場価格の40〜60%で賃貸物件が入手できる!

賃貸物件を安く仕入れることが成功のための絶対条件。とことん安く仕入れるには、競売物件を狙うのが王道といえるでしょう。

競売とは、住宅ローンの返済ができなくなった人が担保としていた土地や建物を裁判所が強制売却すること。落札価格は市価の40〜60%、入札者が現れず特別売却物件となった場合は30〜40%と、非常に安く物件を手に入れられます。昔は競売落札後も占有者が居座るといったトラブルが絶えませんでした。だから競売物件を扱うのはプロの不動産業者だけでしたが、1996年の法改正で不法占有者の追い出しが容易になり、今では個人でも競売に参加しやすくなったし、競売物件情報を提供するサイト(『不動産競売格付センター981.jp 』など)も登場しています。

また、現在では個人投資家が銀行から資金を借りて競売に参加することも一部可能になっています。それだけ競売物件が一般的な投資対象になっているということです。

物件利回りは年間総家賃を物件取得費で割った表面利回りではなく、投資金額に対して純粋に残る純利回りで考えることをお勧めします。税金等まで考慮して「12%以上」の利回りが得られる物件がいいですね。

競売物件取得の流れ

公告

物件明細書等の閲覧

入札期間(1週間程度)

開札期日

売却許可決定

代金納付期限の通知

代金納付(所有権取得)

登記(代金納付時)

引き渡し命令

不動産引き渡し

藤山勇司
元祖リーマン大家

元祖サラリーマン大家1963年、愛媛県生まれ。商社勤務のころからサラリーマン兼業大家に挑戦。しかし、会社が突如倒産したため専業大家に。現在はアパートとマンション90戸、駐車場などで総資産4億8000万円。不動産収入は年間4500万円超。著書に『儲かる!サラリーマン大家 不動産投資32の成功法則!』(廣済堂出版)など多数。



この記事は「WEBネットマネー2013年10月号」に掲載されたものです。