市民ランナー・中島彩の「続・東京マラソンへの道」

 みなさん、こんにちは! 『走るフリーアナウンサー』の中島彩です。私は先週、『歴史街道丹後100kmウルトラマラソン』という大会に参加してきました! なぜ、私がこの100キロマラソンにトライしたかというと、今年6月に参加した『東京・柴又100K』という100キロマラソンを完走できなかったからなんです(「100キロマラソン、その結末は?」参照)。負けず嫌いの私は、この日まで本当に悔しい思いを持ち続けていました! というわけで今回のテーマは、「RUN×100キロマラソン・リベンジ」です。

 大会が開催される京都は、大阪出身の私にとって馴染み深い土地。「地元で今度こそ100キロを完走してみせるぞ!」と気合い十分で向かいました。この大会のため、12時間連続で走る練習をしたり、長時間の水泳で心肺機能を高めたりと、自分なりに頑張ってきました。果たして結果はどうなったのか、どうぞご覧ください!

☆台風接近の中、100キロマラソンがスタート!

 今大会の制限時間は、14時間。4時30分にスタートし、18時30分までに100キロを走破しなければなりません。また、コース途中にも制限時間以内に通過しなければならない関門があり、40キロ地点、56キロ地点、73.8キロ地点、87キロ地点の4つが設定されていました。まずはこれを確実にクリアすることが、一番の課題となります。そしてコースの難所は、往復2回越えなければならない七竜(しちりゅう)峠と、碇(いかり)高原という高低差400メートルの山越え。全体的に細かいアップダウンがあり、完走者は毎年、参加者の半分ぐらいという難関コースです。

 さて、朝3時に起床して、スタート地点に到着した私。夜明け前のスタート地点には、全国から2105人もの健脚たちが勢ぞろいしていました。周囲を見渡すと、男女の比率は9対1。100キロを走るウルトラマラソンだけに、やはり男性ランナーの数が圧倒的に多いようです。背のあまり高くない(158センチ)私は、スタート地点で身長の大きな男性ランナーの中に埋もれてしまうことに......。そんな中、スタートの合図が鳴り響きました。

 大会当日は台風18号の接近により、小雨の降りしきる中でのスタート。ちょうど良い感じの涼しさだなぁ......と、呑気に考えていました。しかし、これがその後、豪雨に変わって苦しめられることになるとは、想像もしていませんでした。

☆いきなりのハプニング発生!

 私は100キロマラソンに備えて事前に、「何時に、どこのポイントに着く」などのスケジュールを書いた地図を持参していました。前回の『東京柴又100K』では、70キロ地点の関門に間に合わず、レースを途中で終わらざるを得なかったからです。今大会ではそんなことにならないよう、5キロ地点で早くも時間通り走れているのかチェックしました。するとそのとき、なんと強風にあおられて、つい手に持っていた地図を手放してしまったのです! 持参した地図は、あっという間に遠くへ飛ばされてしまいました。予想外のハプニングに唖然とする私......。仕方ないので、記憶を頼りに走ることに。自分の記憶力を信じながら!

 そしてスタートから10キロ。最初の難所、七竜峠です。太陽もまだ昇っておらず、周囲は真っ暗。急な傾斜の山道の中、不安を募らせながら走っていきました。そして30キロ地点を越え、ようやく太陽の光で周囲のランナーの顔が見えたとき、私は、「今大会のキーパーソン」と出会ったのです。「今日はこのまま行けば、完走できますね!」。私とほとんど同じスピードで走っていたひとりの長身男性が、声をかけてくれたのです。まだ30キロ地点だというのに、どうしてそんな予想が立つのだろう? 不思議に思ったので、そう問いかけると、その方はウルトラマラソンで2度完走したことのある経験者でした。また、周囲のランナーにも、「頑張れよ!」と声をかけたり、沿道の観客に感謝を述べたりと、なんとも紳士的なランナー。私はこのウルトラマラソンのランナーを、「ウルトラマン」だと信じました(笑)。「ゴールまであなたに着いて行きます!」と宣言すると、ウルトラマンさんは「いーよー」と笑顔で快諾してくれました。

☆ウルトラマンさんに助けられて......

 ウルトラマンさんと一緒に走ることを決めた私は、40キロの関門を無事に通過し、給食ポイントで出された温かいうどんを完食。エネルギー源が豊富で、身体の疲労を和らげてくれるうどんのおかげで、56キロの関門も15分前に通過することができました。

 そして迎えた最大の難所、碇高原。高低差400メートルの坂を駆け上がります。ウルトラマンさんに「登り切るにはどのぐらいの時間がかかりますか?」と聞いたところ、「登り切るというより、視界に入っているところまで走るって感覚で走ろう」と、一歩一歩進むことが大事だと教えてくれました。ただ、この山道の最大のポイントは、頂上に73.8キロの関門があることです。どうしても気持ちは焦ります。

 タイムリミットまで残り30分を切ると、気持ちはさらに焦っていきます。すると、ウルトラマンさんが、「僕に着いて来て!」と、ペースランナーになって引っ張ってくれたのです! 結局、そのスピードには追いつけませんでしたが、今度は給水ポイントのボランティアの方が、「もうちょっとで頂上だから頑張り〜」との声援。私は力を振り絞って頂上を目指しました。さらにウルトラマンさんは関門で待っていて「あと少し!」と励ましてくれて、そしてタイムリミット2分前、無事に関門をクリア! みんなの応援のおかげで、どうにか再びゴールを目指すことができたのです。

 そして87キロの関門も制限時間10分前に通過し、あとはゴールを目指すのみ。といっても、雨や風が尋常ではないレベルに達していて、精神的にも限界に近づいていました。しかし、そんな私に最後の力を与えてくれたのが、周囲の方の応援です。ウルトラマンさん、そしてボランティアの皆さんが、私に「頑張れ〜」と声をかけ続けてくれました。

 そしてラスト1キロ。スタートからすでに13時間51分を経過し、制限時間まで残り9分となっていました。ラストスパートをしたいけど、まったく足が動きません。すると、ウルトラマンさんが私の腕を取り、「一緒に走るぞ!」と、引っ張ってくれたのです! 酸欠で息は切れ、足の感覚もありません。ただ、「私は100キロを走るために京都まで来たんだ。あきらめるものか!」と思い、必死で両足を回転させました。そして、制限時間14時間ぎりぎりの13時間57分56秒――、ついにゴール! 最後はどうやってダッシュしていたのか、まったく覚えていません。

 ゴール後は嬉しくて、涙が止まりませんでした。100キロは本当に苦しかったけど、「苦しくても頑張れる!」「夢は実現できる!」という自信になりました。市民の方の協力があってこそ、市民ランナーの私は100キロを走ることができたのだと思います。市民ランナーとしての幸せと、感謝を、心いっぱい感じた100キロマラソンでした! そしてなにより、ウルトラマンさん、ありがとうございました!

【今週のRUN日記】

9月14日(土) 休足日
9月15日(日) 100キロ @歴史街道丹後100kmウルトラマラソン
9月16日(月) 休足日
9月17日(火) 休足日
9月18日(水) 休足日
9月19日(木) 休足日
9月20日(金) 5キロ ウォーキング @渋谷

今週の走行距離は、105キロ。14時間も走ったので、レース翌日は筋肉痛、服とのすれ傷、足の水ぶくれ、胃腸の疲れ......挙げればキリがないほど傷だらけでした(笑)。それでも、ランナー仲間や友達が100キロ完走を祝ってくれたので、痛みも吹っ飛びましたよ。「次は120キロ?」と言われたときは、思わず苦笑いを浮かべましたけど......。今週も楽しく、健康に、ランニングを楽しみたいと思います!

 LET'S RUN WITH ME!!

 今日までの練習の様子は、ブログをチェックしてください!→中島彩オフィシャルブログ「走ろう!彩と。」

【profile】
中島彩(なかじま・あや)
1987年8月1日生まれ、大阪府寝屋川市出身。慶應義塾大学法学部卒。元東海テレビ報道スポーツ局。現在はキャスト・プラス所属のフリーアナウンサー、タレント。身長158センチ。趣味はマラソンの他に、政治研究。TBS系列「オールスター感謝祭13春」出演。テレビ神奈川「ハマナビ」リポーター。FMカオン(84.2MHz)パーソナリティ(月曜日担当)。TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」のコーナー『現場にアタック』キャスター(隔週火曜・毎週木曜)。

中島彩●文 text by Nakajima Aya