祐ホームクリニック理事長の武藤真祐さん

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ここまでシンガポールに進出する日本人起業家・プロフェッショナルを紹介してきましたが、今回はシンガポールのMBAプログラムに通っている方を紹介します。

医者からマッキンゼーへ転職をした理由

 祐ホームクリニック理事長である武藤真祐さんは、フランスの名門ビジネススクールであるINSEADのシンガポールキャンパスで、現在GEMBA(グローバルエグゼクティブMBA)プログラムに参加しています。

 武藤さんとは、同じタイミングでマッキンゼーの東京オフィスで働いていたことで知り合ったのですが、医者から外資系のコンサルティング企業への転職というユニークな経歴で印象に残っています。武藤さんは東京大学の医学部を卒業して大学病院や民間病院を経たのちに、宮内庁で侍医として両陛下を診療するという、医者としても類まれな経歴を積みました。

 ただ、90年代の後半から日本では医療への不信感が高まり、その一方で大病院を中心として医療現場が疲弊している状況を目の当たりにして、一医者としてではなくマクロの観点から日本の医療問題について解決策を探したいと考えるようになります。医者をしていた当時は友人の95%は医者で、医者と患者という関係でしか社会と関われなかったことから、視野を広げるためにもMBAへの留学を考えます。

 しかし、周囲から33歳という年齢であれば、座学ではなく実践で学ぶべきであると勧められ、当時Ph.D(博士号)取得者や医師・弁護士・会計士・キャリア官僚など専門職の採用を積極的に行っていたマッキンゼーに転職します。

 マッキンゼーでは、アシスタントが選ぶベスト・アソシエイト賞に選ばれました。私も在籍していたから分かるのですが、外資系のコンサルタントは激務で、プロジェクトが佳境に入ると休日も含めて午前帰りが数カ月続くこともあります。疲労やストレスが蓄積し、秘書や受付、資料作成などアシスタントの方へのコミュニケーションが乱暴になりがちですが、アシスタントから高評価であったということは、武藤さんの優れた人柄が評価されてのことだと感じました。

 マッキンゼーには3年ほど居ましたが、当時の同僚とは今でも交流があり、今では色々な分野で活躍しているので貴重な人脈だと話しています。また、医者から外資系コンサルタントという全く別の分野に飛び込んでもきちんと遂行できたことは自信につながったようです。

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