【名作映像案内】第13回 親鸞

今回取り上げる時代劇映画は昭和35年の『親鸞』。配役は親鸞に中村錦之助、親鸞の弟役に中村嘉葎雄。2人は劇中のみならず実際に兄弟ですね。また、関白九條兼實(演・千田是也)の弟・慈圓を演じたのは大河内傳次郎だったのですが、改めて大河内の台詞を聞くと、『笑点』で林家木久扇が披露している大河内のものまねは本当にそっくりだと思います。

【関連:番外篇 マイウェイ 12,000キロの真実】

親鸞


本作の音楽を担当したのは伊福部昭。実家が神社という伊福部は、宗教を題材にした映画の音楽を幾つも担当し、荘厳な音楽を披露していました。例えば昭和36年の『釈迦』や昭和48年の『人間革命』(創価学会の映画)等。天理教の映画『扉は開かれた』(昭和50年)も、私は楽曲を聞いたことはないものの、伊福部が音楽を担当した映画です。これらと同様に、『親鸞』のテーマ曲も合唱が加わった荘厳な曲でした。因みに昭和34年の『宇宙大戦争』でも同じメロディが流れております。
ストーリーの後半では、親鸞は関白の娘・玉日姫(声・吉川博子)に恋してしまい、「心の病を患い、迷ってしまった」と苦悩します。親鸞が恋愛感情に苦悩する場面で流れた劇伴は、昭和34年の『或る剣豪の生涯』で流れたものと同じメロディです。『或る剣豪の生涯』は、主人公の男性が高貴な女性に叶わぬ恋心を抱くというストーリーですが、伊福部は、主人公の男性が恋心に苦悩する場面ではこの曲を使うんでしょうかね。ただ、同じメロディと言っても、『或る剣豪の生涯』よりも本作の方が、叩きつけるようなショックがありました。

(文:コートク)