子供が独立するなどして空き部屋が増えた自宅について、シニア層の8割以上が、持て余す思いを持つ一方で、長年のマイホームを住み替えることには踏み切れない現状が、調査会社の矢野経済研究所が実施した「シニアの住まいに関するアンケート調査」で分かった。

住み替えたい理由のトップは「家の老朽化」

調査は、東京や神奈川、埼玉、千葉の首都圏の1都3県で、築10年以上の戸建て住宅に住み、すでに子供が独立した男女計823人にインターネットでアンケートを行った(2013年7月)。このうち81.9%が、子供の独立後に部屋を活用しきれていないと回答。同居中にもそう感じていたと答えたのは33.8%で、子供が使っていた部屋が利用されないまま空いていることがうかがえる。

住み替えの意向について、積極的に「住み替えたい」と回答したのはわずか3.2%だったが、「将来的には考えたい」(19.5%)、「考えたいができないと思う」(22.6%)など、消極的ながら住み替えを選択肢に含む人を合わせると45.3%と半数近くに達した。「住み替えたくない」は54.7%だった。

「(住み替えを)考えたいができないと思う」理由のトップは、52.2%が挙げた「資金を工面できない」。「将来に使える資金をとっておく必要」(25.8%)を合わせると、資金面の問題の比率がかなり高いといえそうだ。2番目は「住み慣れた地域を離れたくない」(48.9%)だった。

一方、住み替えたい理由のトップは「家が老朽化してきた」で51.2%。以下、「家族構成が変わり家が広すぎる」(33.8%)、「バリアフリー化が必要」(30.3%)など。

矢野研究所は、調査結果のまとめとして「住み替えの潜在需要は4割強あり、最大の理由は家の老朽化」であるので、現実的な資金調達問題が解決され、住み慣れた地域に安全で安心できるコンパクトな住まいを提供することで「シニア層の住み替えに対する潜在需要を掘り起こす可能性がある」としている。