「漫画ばかり読んでいたら馬鹿になる。ちゃんとした活字の本を読みなさい」

誰もが聞いたことであろう、親の小言です。では、なぜ漫画ばかりを読んでいてはダメなのでしょうか。

「漫画から学ぶことは多いし、世界も広がる。実際に日本史は学習漫画で学ぶことができるし、ドストエフスキーの難解な小説も漫画化されている」

そんな言い分に対して、いかに「本」を通じて活字を読むことの重要性を伝えられるでしょうか?

「テレビと漫画においては『非言語情報』が占める割合が、新聞や活字の本よりも圧倒的に高い。そのため情報の受け手が想像力を働かせなくても、『だいたい、わかる』ほど伝達されてしまう。ここが曲者なのである」

こう語るのは、劇作家で演出家の竹内一郎氏です(書籍『やっぱり見た目が9割』より)。私たちが活字を読む時は、作者が言いたいことや感じたことを、頭のなかに絵を描きながら、理解しようとします。

しかし、テレビや漫画ばかりを楽しんでいるようでは、ただ視覚から「絵」が過剰に供給されるだけで、この「字を絵にする」能力が磨かれない可能性がでてくるのです。

「絵を頭の中で描く」ことが苦手だと、コミュニケーションのチャンネルが減ってしまうと、竹内氏は警鐘を鳴らします。「字を絵にする」能力がなければ、「絵を字にする」能力も磨かれません。これでは、「馬鹿になる」と言われても、仕方がないのかもしれません。

例えば、下手な旅番組のレポーターは、「すごい」や「マジヤバい」などの感想しか言いません。このレベルの語彙力では、観光地で目にする景観や、食べ物の味を伝えることができません。

目にしたものや感情を、細やかに、そして正確に伝える表現能力を養うためにも、活字の本を読んだ方が良いのではないでしょうか。



『やっぱり見た目が9割 (新潮新書)』
 著者:竹内 一郎
 出版社:新潮社
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