ゲーセン、ゲームセンターと聞くと、ちょっとした懐かしさを覚える人も多いのではないでしょうか。

1980年代のゲーセンと言えば、暗くて狭い、タバコの煙がもくもくと漂うような場所、いわゆる「不良のたまり場」のような不健全なイメージでした。90年代に入り、UFOキャッチャー、プリクラなどが設置されるようになってから、女子高生やカップルも入りやすいアミューズメントスポットとして認知されるようになりました。

そんなゲーセンにノスタルジックを覚える人から驚きをもって迎えられたニュースが、渋谷センター街にある「渋谷会館モナコ」閉店のお知らせでした。格ゲーと呼ばれる格闘ゲームを設置しているのは、渋谷では同店のみだったため、一部ファンからは聖地のように扱われ、惜しまれつつも8月18日にその役割を終えました。

書籍『ゲーセンで出会った不思議な子の話』は、「俺、ゲーセンで格ゲーをやるのが好きだった。そこで出会った、不思議な子のことを書かせてほしい」という主人公・富澤の告白形式で展開します。ゲーセンの格ゲーをきっかけに、サンドウィッチマンの富澤似の大学生と、吹石一恵似の美大生が出会い、恋が始まります。

同書は、著者・富澤南さんが2ちゃんねるに立てたスレッドがもとになっています。書き込みを受けて、リアルタイムで進んだ純愛ラブストーリーは、かつて話題になった『電車男』と同様にユーザーを熱狂させ、スレッドが完結後、7万4000回ものリツイートを呼びました。

富澤さんは、本書がデビュー作。書籍化にあたり、富澤さんが2013年9月10日発売の「ファミ通.COM」のインタビュー記事でフィクションだったことを明かしたところ、「感動した気持ちを返せ」という読者が続出。本作を実話と信じ、富澤と吹石、主人公2人の運命にどっぷり感情移入した読者がいかに多かったかを、逆に見せつける結果となりました。

「この物語が偉大だったのは、ネットという媒体を使用し、"作者の実体験かもしれない"と読者にフィルターをかけた点にある」と、帯で作家の乙一さんが書いている通り、主人公2人の恋の展開には、これからも多くの人が夢中になることでしょう。



『ゲーセンで出会った不思議な子の話 (ファミ通BOOKS)』
 著者:富澤南
 出版社:エンターブレイン
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