台風シーズンは落雷が原因で発生する急な電源断、豪雨による水没等の影響でRAID・サーバーに障害が発生しやすくなる。故障したHDDのデータ復旧サービスで、7年連続日本一、累積復旧実績7万5000件以上、復旧率95.1%の実績をあげる日本データテクノロジーの技術開発プロジェクト責任者の西原世栄氏に、台風シーズンのサーバー担当者が注意すべきポイントを聞いた。

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 台風シーズンは落雷が原因で発生する急な電源断、豪雨による水没等の影響でRAID・サーバーに障害が発生しやすくなる。故障したHDDのデータ復旧サービスで、7年連続日本一、累積復旧実績7万5000件以上、復旧率95.1%の実績をあげる日本データテクノロジーの技術開発プロジェクト責任者の西原世栄氏に、台風シーズンのサーバー担当者が注意すべきポイントを聞いた。

――今年の夏は集中豪雨が多く、各地で浸水の被害がでていました。RAID・サーバーなどの精密機器は、水に弱いといわれますが、例えば、水没して動かなくなったRAID・サーバーからでもデータ復旧は可能ですか?

 可能です。ただし、完全に乾いた状態で持ち込まれると、データ復旧は大変難しくなります。水分が蒸発し不純物がデータ保存部分に残る事で、データの読み出しができなくなるためです。

 一方、雨が吹き込み筐体が濡れてしまった場合であれば、データ復旧は、ほぼ可能だといえます。ただし、濡れてしまった場合、再起動などをすることなく、濡れたままで持ち込んでいただきたい。乾いてしまうと、雨が吹き込み筐体内部が濡れてしまった場合でも、完全にデータ復旧ができなくなる場合があります。

――なぜ乾いてしまうとデータ復旧が難しくなるのですか?

 生活レベルで存在する水は純水ではなく不純物を含んでいる為、HDDの内部に侵入するとデータ復旧が難しくなります。例えば水道水であればカルシウム等の硬度成分、ナトリウム、シリカなどの不純物が含まれており、雨水であれば微量の有機物、無機物、重金属類を含んでいます。HDD内部で乾いてしまうと、水に含まれる不純物がプラッター表面に付着してしまうのです。プラッター表面に付着すると磁気ヘッドによる読み込みが出来なくなり、付着箇所からのデータ復旧が不可能になります。

 水没した場合のデータ復旧は、まずは、プラッター上の水を、特殊な溶液を使って洗い流すことから始めます。この洗浄の際に、濡れたままの状態であれば、キレイに洗い流すことができるのです。

 PCを水没させてしまうと、PCのパーツはほとんど壊れてしまっていると考えてください。もし、そこに絶対に失ってはならない貴重なデータが保存されている場合は、電源をさわることなく、濡れたタオルなどで全体を覆うなどして乾かさないで、できるだけ速やかに、データ復旧の専門業者に持ち込むようにしてください。一度でも通電してしまうと、取り返しのつかないことになりかねません。

――台風シーズンの安全対策としてサーバー管理者が心がけることは?

 RAIDやサーバー障害は、たとえ万全の対策をしていたとしても、精密機器であるが故に発生してしまいます。障害が発生しやすい時期である事を自覚し通常期よりもこまめにバックアップをとるようにしてください。

 落雷、水没による突然のサーバーダウンからも、データを復旧することは可能ですから、万一故障してしまった場合でも、ご自身で対処せず専門のデータ復旧会社に相談するようにしてください。当社に持ち込んでいただければ、データ復旧の可能性診断までは無料で実施していますので、その場で、データ復旧の可能性と復旧までに必要な期間を診断してお知らせします。

 最近では、管理コストの削減や冗長化、運用管理の効率化の為に仮想化サーバーを導入するケースが増加しているようです。以前は大企業中心に導入されているケースが殆どでしたが、今では中小企業まで仮想化の流れが続き、拡大期に入っているといっても過言ではありません。しかし、構成が仮想化技術により複雑化するほど障害が発生した際の復旧難易度は飛躍的に上昇します。

先日、御相談いただいた案件ではデータセンターの一部のストレージに異常が発生し弊社にハードディスクが持ち込まれました。60台構成の仮想化サーバーでしたが、既存のRAID復旧技術と仮想化技術の解析により無事データをご納品する事に成功しました。

 当然、RAIDが大型化するほどに、復旧作業は困難になっていきます。万一に備えて、事前にデータ復旧会社を調べ、安心して依頼できる事業者と連絡ルートを確保しておくことも、安全対策の大切なステップだと思います。(編集担当:徳永浩)