[其ノ三 投信実践編]欧州社債へ投資し高い利回りを狙うファンド
高利回りのハイ・イールド債券に投資しながら組入れ債券のデフォルトが一つもない優良ファンドです。


拡大する欧州ハイ・イールド債券市場の中で安心の一本

「DWS 欧州ハイ・イールド債券ファンド」は、2010年6月に設定した欧州のユーロ建てハイ・イールド債券を主な投資対象とする投資信託です。ハイ・イールド債券とはS&P社の格付けではBB格相当以下、ムーディーズ社ではBa格相当以下の相対的に低い格付けの社債のこと。信用力が低くリスクが高い分、投資適格債券よりも高い利回りで発行されています。

欧州ハイ・イールド債券市場は1990年代後半ごろから大きくなり始めました。米国に比べれば歴史の浅い市場ですが、投資家の注目度は高く市場の成長率では米国を上回っています。10年前との比較では米国ハイ・イールド債券市場が2・7倍に拡大したのに対し、欧州ハイ・イールド債券市場は6・3倍に急成長しました。また米国に比べスプレッド(国債との利回り差)が高く割安な点も特徴です。格付別の構成比でみると、ハイ・イールド債券の中では高い格付であるBB格の構成比が米国では約4割にとどまるのに対し、欧州では約7割(13年5月末時点)となっています。

設定当時、欧州はギリシャ危機で揺れていましたが、欧州債務問題は国債の問題です。社債の問題とは本質的には分けて考えられるべきにも関わらず、当時のハイ・イールド社債市場のバリュエーションは過度に割安で、良いタイミングで設定ができました。それでも投資家にとってはデフォルトが気になるところでしょうが、当ファンドの運用は市場ができ始めたのとほぼ同時期に運用を開始した経験豊富なチームが担当しており、騰落率は3年で31%(円コース、7月31日時点)を超えています。ファンドには26ヵ国、約230銘柄、発行体数約170社の社債が組み込まれていますが、これまでデフォルトを受けた事例はありません。「DWS 欧州ハイ・イールド債券ファンド」は通貨選択型の投信であり、円、ユーロ、豪ドル、南アフリカランド、ブラジルレアル、資源国通貨の6通貨(6コース)が選べます。最も残高が多いブラジルレアルコースの純資産は約1648億円(7月31日時点)です。

それぞれの分配金(第35期分配金実績)は円コース100円、ユーロコース110円、南アフリカランドコース及び資源国通貨コース150円、豪ドルコース及びブラジルレアルコース160円です。ファンドの収益は主に原資産である欧州ハイ・イールド債券からの収益+為替取引によるプレミアムやコスト(各国とユーロとの金利差から得られる収益・費用)+対円での為替の変動が源泉となります。8月23日には既存の6コースに追加してメキシコペソ、トルコリラの2コースを設定予定です。

欧州ハイ・イールド債券の高利回りを追求しつつ、ファンドを通じて個人ではアクセスしにくい通貨の保有が可能となります。

DWS 欧州ハイ・イールド債券ファンドブラジルレアルコース

設定日    :2010年6月30日
基準価額   :6251円
購入時手数料 :3.15%
購入単位   :販売会社が定める単位
決算日    :毎月24日
販売会社   :みずほ銀行、みずほ証券

※2013年8月7日現在。購入時手数料は税込み、上限。

三浦彩子(SAIKO MIURA)
三菱UFJ投信株式運用部 国内株式第2グループ チーフファンドマネジャー

2007年ドイチェ・アセット・マネジメント入社。運用部に所属し、本部ドイツの運用チームと連携しながら、ポートフォリオ・マネージャーとして様々な債券ファンドを担当する。



この記事は「WEBネットマネー2013年10月号」に掲載されたものです。