2015年1月から「5千万円+1千万円×法定相続人の数」だった相続税の基礎控除が、「3千万円+600万円×法定相続人の数」に縮小し、新たに課税対象となる世帯が増える。特に地価が高い都内では、該当エリアも多いとみられる。

 住宅分野で日本最大級のデータベースを保有するアトラクターズ・ラボのデータをもとに編集部で、そのエリアに戸建てを持っていた場合、相続税が生じる「課税確率」を算出した。アトラクターズ・ラボの澤邦夫シニアコンサルタントは、基礎控除の引き下げで影響を受けるエリアについて、こう指摘する。

「路線では、JR中央線や東急東横線、東急田園都市線沿線のエリアで、相続税の課税対象となる世帯が増えそうです。JR京浜東北線沿線など、都心へのアクセスがしやすい埼玉県のエリアも同様ですね。新しく課税対象となるのは、土地評価額が3600万〜6千万円の戸建て世帯。都心で勤務される方の住宅地が、まさにそのボリュームゾーンとなったわけです」

「増税」前は課税確率が「0%」なのに、「増税」後は「100%」と一変した駅もある。これは要するに、調査地点の土地評価額がすべて3600万〜6千万円の範囲だったことを意味する。「0%→100%」の駅はどんなところなのか。

 東京都世田谷区にある千歳船橋駅(小田急小田原線)は、改札を出ると細く延びた商店街が目に入る。商店街をそれると閑静な住宅地が広がるが、少し歩けば東京の交通の大動脈である「環八通り(環状8号線)」にたどりつく。実はこの「環八」周辺には、祖師ケ谷大蔵駅(小田急小田原線)や荻窪駅(JR中央線)など課税確率が一気に高まるエリアが多いのだ。前出の澤氏によれば、「基礎控除の縮小後、新たに相続税が発生するかどうかは、環八の内か外かが一つの目安です」という。

週刊朝日  2013年9月20日号