圧巻のKOだった。

 ボクシングWBA世界ライトフライ級王者・井岡一翔(24=井岡)が9月11日、大阪・ボディメーカーコロシアムで、挑戦者・同級5位のクワンタイ・シスモーゼン(31=タイ)を、7回2分17秒、KOで下し、同王座2度目の防衛に成功した。

 これで、井岡は同級に転級してから、世界戦で3連続KO勝利。見事に会場に詰めかけたファン、お茶の間の視聴者の期待に応えた。

 井岡の次戦は大みそかの予定で、階級をフライ級に上げて、亀田興毅(26=亀田)に続く日本人2人目の3階級制覇をもくろむ。ただし、井岡の挑戦を受けてくれるフライ級のチャンピオンがいればの話で、交渉が不調に終われば、大みそかは現階級でのV3戦になるもよう。

 ただ強いだけではなく、ファンが望むKOで試合を決められる井岡のスター性は抜群で、さらなる飛躍が期待がされる。

 井岡というと、どうしても比較されてしまうのが、同じTBSで試合を放送している亀田3兄弟の存在。

 亀田3兄弟といえば、8月1日に、三男・和毅(22=亀田)がWBO世界バンタム級王者、パウルス・アムブンダ(ナミビア)を破り、3兄弟での世界王者を達成。9月3日には、次男・大毅(24=亀田)がIBF世界スーパーフライ級王者、ロドリゴ・ゲレロ(メキシコ)を下し、前人未到の3兄弟同時世界王者の偉業を成し遂げた。

 しかし、いずれも試合は判定決着。長男の興毅は7月23日、ジョン・マーク・アポリナリオ(フィリピン)を破り、WBA世界バンタム級王座V7に成功したが、これまた判定勝ち。興毅は4連続判定防衛となった。

 これまで、興毅は12度の世界戦中、KOで倒したのは明らかな格下選手相手の2度だけ。大毅は過去、7度の世界戦すべてが判定決着。ボクシングはKOがすべてではないが、KOできない亀田3兄弟の試合が、視聴者から「つまらない」と言われても致し方ないところ。鮮やかなKO防衛を続ける井岡とは、スター性の点で、その違いがクッキリ見えてきた。
(落合一郎)