夏菜は「思ったより緊張してません(笑)」とコメント

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日本アカデミー賞ほか各賞を総なめにした映画『桐島、部活やめるってよ』(12)の吉田大八監督が、初めて舞台の脚本・演出を手掛ける「ぬるい毒」。第33回野間文芸新人賞を受賞した本谷有希子の同名小説が原作となる舞台で、『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(07)以来6年ぶりとなる原作(本谷)×監督(吉田)の再タッグや、夏菜と池松壮亮という映画で活躍する若手俳優2人を迎えたことでも注目を集めている。9月13日(金)夜に公演初日を迎える同舞台だが、その当日昼に、稽古の模様が初めて公開された。

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自分の人生のタイムリミットを23歳と設定している主人公が、謎の男に翻弄され堕ちていく姿を追った本作。今回公開となったのは、物語の始まりを予感させる重要なシーン。1年前に出会った向伊(池松)から電話をもらった熊田(夏菜)が、向伊に誘われ同級生と飲みに行く場面である。久々に再会した同級生から、「高校の時より垢抜けた」と言われ恥じらったり、向伊の言動を気にしたりと、微妙な女心を夏菜が好演。同時に、その乙女心の裏に何か秘密を隠しているような素振りも見せ、怪しげで魅惑的な女性を体現していた。NHK朝の連続ドラマ「純と愛」で培ったとも言える、主役ならではの堂々とした存在感に目を奪われることは必至だ。一方、向伊に扮する池松は、飄々としていて正体の知れない謎の男を快演。何を考えているのかわからないが、ノリの良い一面も見せる向伊という役を、見事に自分のものにしている。今後、2人がどのように関係を築いていくのか、その続きはしっかり舞台で確認してほしい。

公開稽古終了後、夏菜と池松、吉田大八監督が取材陣のインタビューに応えてくれた。本日上演スタートとなる舞台について吉田監督は「思ったより緊張してません(笑)。初めて舞台を手掛けましたが、毎日が楽しい。映像とは違って、終わりがなかなかないですから、とても新鮮です」と、穏やかな表情でコメント。監督と同様、緊張してないという夏菜は「一筋縄でいかない役柄でしたので、とにかく全力で頑張りました。ワクワクと不安を感じながら稽古に臨んでいます」と、意気込みを語る。そんな2人とは対照的に、緊張しているという池松は「吉田監督の最後の舞台になるかもしれません(笑)。この貴重な機会を逃さず、ぜひ見に来てほしい」とアピール。また最後に、何歳で人生が決まると思うかという質問に、夏菜は「30歳ですね! 節目ですし、大人だと思いますから。その頃にはフランス語を話せればいいな」と、密かな野望も明かしてくれた。

吉田監督が“刺激の強い生もの”と評した同舞台。映画だけではなく舞台の世界に飛び込んだ監督の手腕と、それに応える迫真の演技に魅了されることは確実だ。ぜひ、彼らの息遣いを生で鑑賞してほしい。舞台「ぬるい毒」は9月13日(金)〜26日(木)まで、紀伊国屋ホールにて開催。【取材・文/トライワークス】