高さ828メートル、人類史上もっとも高い“バベルの塔”ブルジュ・ハーリファ(2010年1月完成)   (Photo:©Alt Invest Com)

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 2011年9月に“We are 99%”のプラカードを掲げた若者たちがウォール街を占拠したとき、アメリカ人は「格差社会」に本気で怒っていた。

 サブプライムバブルが崩壊し、2008年9月にリーマン・ブラザーズが破綻すると失業率は10%に迫り、19歳から20代前半の若者の失業率は4割を超えた。2009年3月、米国政府から総額1800億ドル(約18兆円)の公費を投入された大手保険会社AIGが、幹部社員400人に対して総額2億1800万ドル(約210億円)、一人あたり平均5億円のボーナスを支払ったことが判明し、全米の怒りが爆発した。AIG側は「ボーナスは金融危機前から契約で決まっていた」「報酬を払わずに幹部社員に大量退職されると会社再建が頓挫し、結果的に公的資金が毀損する」と述べたが、そんな説明が受け入れられるはずもなく、幹部社員の自宅には抗議団体がバスで乗りつけ、脅迫や嫌がらせも相次いだ。

 米国市場のその後の回復でAIGに投入された公的資金は完済されたものの、これが「グローバル資本主義」のモラルハザードを象徴する事件であることは間違いない。

 その一方で、世界にはさらに巨大な経済格差がある。だが不思議なことに、それについてはほとんど問題にされることはない。

高級スポーツカーを導入したドバイ警察

 ドバイはアラブ首長国連邦(UAE)のひとつで、1980年代に大型港湾を備えた経済特区と近代的な空港、フラッグキャリアとしてのエミレーツ航空などのインフラを整備し、2000年代に入ると中東における商業・貿易の中心として、さらには金融センターとして空前の繁栄を謳歌した。

 世界一の超高層ビルであるブルジュ・ハーリファや“7つ星ホテル”バージュ・アル・アラブなど、ひとたびドバイに降り立てばそのゆたかさは一目瞭然だが、それに加えて今年4月、ドバイ警察がイタリアの高級スポーツカー、ランボルギーニをパトカーに導入したというニュースが世界を驚かせた。そればかりか、“ランボルギーニ・パト”が大きく報道されたことで気をよくしたドバイ警察は、フェラーリ、アストンマーチンと次々とスーパーカーを導入し、ついには世界でもっとも高価なブガッティヴェイロンの“16.4スーパースポーツ”の採用も決めた。2010年に時速431.072kmの最高速を計測し、ギネスブックの量産車世界最高速記録に認定されたこの車の価格は日本円で約2億円という。

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