フラット35再び頭金なしOK 全額融資は借り手に朗報か?

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フラット35、2年ぶりに9割から全額融資へ

消費税増税後の住宅市場の落ち込みを防ぐため、国土交通省はフラット35の融資の上限を2年ぶりに撤廃し、購入金額の全額を融資できるようにすることを決めました。これは借り手にとって朗報なのでしょうか?

一見すると、今までよりも多くお金を借りられることになるため、住宅購入をあきらめていた人にとっては良いことのように思われます。ただし、国交省自らが懸念しているように、上限を撤廃すると、借り過ぎによるデフォルト(返済不能状態)に陥る人が増えることも充分に考えられます。

例えば、頭金なしでローンを組む危険性は次のようなことが挙げられます。

・借り過ぎにより返済可能額を上回り、デフォルトする可能性が高まる(過去の調査でも、借入比率が高まるとデフォルトする可能性が高くなるのは明らか)。

・将来、住宅ローンを借り換えようとしても、「担保割れ」などの理由で借り換えができないことがある。

・フラット35の場合では、借入金額に比例して団信特約料(保険料)が上下するので、借入額が増えればその分が高くなる。例えば200万円多く借りるだけでも初年度の保険料は約1万円上がる。※35年返済、金利2%の場合

・借入額に応じて変動する諸費用(融資手数料・登記費用など)も割高になる。


全額融資を利用しても良い人・いけない人

このように全額借入にはさまざまなリスクが付いてきます。それでも事情によっては全額ローンを組むこともあるでしょう。では、全額ローンを利用しても問題ないのは、どのような人なのでしょうか?

・自己資金は用意できているが「余力」として温存しておきたい人

・近い将来、まとまった金額を繰上返済できる目途がある人

・収入に対して返済額が10%未満など返済負担が低い人

・手持ち資金を投資で運用して借入金利以上の運用益を出せる人

対して全額ローンを利用してはいけない人は、

・そもそも全額ローンでなければ購入自体が困難な人

・これまで貯蓄ができず、住宅購入後も貯蓄できる目途がない人

・収入に対して返済額が「25%を超える」など返済負担が高い人

・将来の家族構成が確定しておらず、返済期間中に支出が著しく増える可能性が高い人

などです。

つまり、購入金額の全額を住宅ローンとして組むことが悪いわけではなく、返済できない金額を借りることが問題の本質なのです。借入比率にこだわることなく、自分に合った借入方法と借入金額を選択することが重要です。住宅ローンの借り入れに限っては、他人の動向はまったく参考にならないと思っておいた方が良いでしょう。


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